殺戮の天使×ワイテルズ２ (ページ2)

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B2 グレイページ2

「「……………」」

今、お互いに見つめあっている。

いや、睨み合ってる、が正しい。

神父のような格好をした男は、俺に近づいてきた。

俺はすかさず後ずさる。

また相手が近づいてくる。

後ずさる。

お互いにそうしてるうち、

相手が口を開いた。

「…君は、誰だ？」

…これは、

どういう意図で聞いてるんだ？

そういうことを考えてしまう。

Na「…」

知りもしない人に名前を言う必要はない。

俺は無言という手を使った。

「…なぜ、黙る」

Na「…お前こそ、誰だよ」

俺はポケットにある“それ”を、

力強く握りしめた。

いざという時の為に…

「私は、この教会の神父だ。グレイと言う」

グレイ…

聞いたことあるような、ないような。

ここに来てから、妙に人の名前が取っ掛かる。

Na「神父様、ねぇ」

グ「さぁ、君の番だ」

まぁ、教えてもらったからには答えるか。

Na「俺はNakamu。言っておくが、決して本名ではない」

グ「ほう、Nakamuと言うのか」

名前はどうでもいい。

必要な事を聞いていこう。

Na「神父…さん？は、ここのフロアの住人？」

グ「…いかにも。ここは私のフロアだ」

ちょっと言い方にトゲがあったか？

いいや、そのくらいがいいだろう。

ここの住人は狂ったやつばかりだからな。

ここのフロアの住人…

つまり、敵。

後ずさりをした。

後ろの灯りが割れてしまったが気にしない。

グ「そう、怖がらなくてもよい。私は君がどういうものか知らん。どういった人間かわからないのだから、裁きをくだすような真似はせんよ」

つらつらと喋っているが、「裁き」というのが気になった。

俺を裁くのか？

俺、何かしたのか？

もしかして…

Na「…」

グ「それはそうと、Nakamuは何をしに来た？」

Na「…血を止めるものを、探しに」

グ「ほう。止血剤かね？それは…

仲間の為のものかね？」

Na「！？」

何故仲間がいるとわかるんだ？

グ「今、何故仲間がいる事を知っていたのかと思ったかい？」

Na「っ！？」

グ「当然だよ。1人でここまで来れる人なんてそうそういない。助け合って、ここまで来たんだろう」

そうだ。

その通りだ。

俺は、ワイテルズの仲間でここまで来れたんだ。

みんなで一緒に生きて出たかった…

また、泣きそうになった。