57... ページ8
魔法研究を進めて、私が必要としたタイミングで特定の人物の声だけを聴けるようにしなければと思っていた矢先のこれだ。
キーフリーの服のどこかに、先程の花びらが付着していたのだろう。
話を聞いてしまってごめんなさいキーフリー、と心の中で謝りながら破った紙を自室のゴミ箱の中へ入れる。
あの連絡の相手は誰なのか。ただただ私の中の疑問は増えていく一方だ。
・ ・ ・
ココがアトリエに来て一夜が明けた。私やテティアたちは特に普段と変わらない日常を過ごしている、が心情的変化は見ただけでは分からない。
テティアは先程用事があると言っていたことを思い出し、私はココとアガットがいる部屋へ様子を見に行くことにした。
「最後に円を囲うことで陣が閉じられ、魔法が発現する……です!」
ゆっくり扉を開けると、キーフリーに魔法について習うココの姿と静かに勉強しているアガットの姿が確認できた。
「理解したら使いこなせる。使いこなせたら、こんなこともできる」
「キーフリーの水魔法、とても綺麗でしょう?」
「A先生!」
「昨日のAの魔法みたいなことだって可能なんだよ」
「A先生もキーフリー先生も、とってもキレイな魔法を使いこなせるんですね…!」
「当たり前でしょ。A先生は特によ。A先生の魔法はとても繊細で高難度なの」
「アガット、いつも言ってるけど買い被りすぎよ。それにアガットならすぐ私に追いつける」
「もちろんです。先生は私の目標とする人物ですから」
ここの先生になって数回、弟子たちの前で魔法を披露したことがある。どうやらそれら全てがアガットの心に響いたようで、それからというものこうやって私のことをとても評価してくれている。
「でも、焦りは禁物よ」
「……そんなこと言ってられません。A先生、この魔法について教えていただけませんか」
「ほえぇ〜…A先生すごいんですね…」
「ココも少しは知っていると思うけど、Aは学生の頃から凄かったからね」
「わっ…私も頑張ります!」
頑張り屋さんのココとゆっくりめのキーフリー。2人の相性は中々良さそうに見える。
私もアガットの疑問をひとつひとつ消していくように丁寧に説明していく。ツンツンしているところもあるけれど、アガットは本当に飲み込みが早い。
この年齢にしてはありえないくらいに正確で美しい陣を描くのだ。
54人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
アストル(プロフ) - 通行人Mさん» 2回目のコメントありがとうございます!また来てくださって嬉しいです(´˘`*)ほんとに中々ありませんもんね...私も少しずつわかってきた原作の設定を織り交ぜていこうと考えています。オチをどのようにするか迷いますね.... (2020年2月23日 22時) (レス) id: b8413c3aa3 (このIDを非表示/違反報告)
通行人M - 単行本買ってから思い出して来てみましたー。それにしてもΔ帽子の夢作品増えませんね…設定が緻密でまだまだ謎が多いから難しいんですかね…。これからもちょくちょく覗きますね。 (2020年2月23日 19時) (レス) id: cbf5c5978e (このIDを非表示/違反報告)
通行人M - うわわ…ほんと…好みです……ありがとうございます…… (2019年7月31日 20時) (レス) id: ea843ff10e (このIDを非表示/違反報告)
月夜魔法 ルナ - すごくおもそろかったです! (2018年7月15日 10時) (レス) id: 26180cce76 (このIDを非表示/違反報告)
タルト(プロフ) - 読んでいてとても楽しいです。読みやすく最高です!!これからも頑張ってください、応援しています! (2018年5月17日 19時) (レス) id: ac7dbf19f0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ