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「どうしようもない焦りがあって急いで学びたいと思うなら、生活にしてしまうのが一番だよ。
Aの場合は趣味と魔法の種類が合ったものあって、ガーデニングと植物研究を同時に行ってたからね。生きることより教えるのが上手な先生はいないから」
「魔法を…生活に…」
「…ココ。焦ってしまう気持ちはとても分かる。けれど、時にはゆっくりすることも大切だからね。
僕もかつて、魔法を早く完成させたくて無茶をしてしまった時があったんだ。
嵐が近づいていて周りが見えていなかった僕は川に落ちてしまってね。気付いた時には温かい部屋にいた。どうしてか分かる?」
「ん〜…A先生が助けに来てくれた…?」
「正解!雨に濡れながら僕を捜しに来てくれて、複数の魔法を見事に使いこなして助けてくれたんだ。僕の命の恩人といっても過言ではないくらいだね。
Aが落ち着いてそんな魔法を使えたのは、やっぱり日々の小さな努力の積み重ねだと思う。
誰しも突然上手くなることはできないからね。ココも早く早くって焦りすぎなくても大丈夫だよ」
「はいっ!まずは生活の一部にできることから練習していこうと思います」
「うんうん、その意気だ!」
「…A先生は昔から、A先生なんですね。街の皆さんがA先生のことを慕っていた理由もなんだか少し分かった気がします」
「そうだね。彼女は本当に素晴らしい人だよ。その弟子のココも、勿論素晴らしい子だけどね」
そう言うとココは、ひぃぇぇ〜と叫びながら両手をブンブンと振り始める。でもその表情はとても明るい。
「あ!良い匂いがすると思ったら何か美味しそうなもの作ってる−!」
新たに加わったリチェとテティア。皆で料理を作り、ココの提案で外で食べることとなった。
「そうだ、折角だしAも呼ぼうか。最近、部屋にいるようだし」
「私、呼んできます!」
満面の笑みでAの自室に行ったココは、暗い顔をしてすぐに戻ってきた。
「A先生、いませんでした…」
「あれ?おかしいな…連絡は何も聞いていないけど…。すぐ戻るからかな?」
「一緒に食べたかったです…」
「仕方ないよ。また改めて皆で食べよう、ね?」
あいにくの雨だったけれど、魔法で水をはじきながら移動し、橋の下でお昼ご飯を食べることにした。
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アストル(プロフ) - 通行人Mさん» 2回目のコメントありがとうございます!また来てくださって嬉しいです(´˘`*)ほんとに中々ありませんもんね...私も少しずつわかってきた原作の設定を織り交ぜていこうと考えています。オチをどのようにするか迷いますね.... (2020年2月23日 22時) (レス) id: b8413c3aa3 (このIDを非表示/違反報告)
通行人M - 単行本買ってから思い出して来てみましたー。それにしてもΔ帽子の夢作品増えませんね…設定が緻密でまだまだ謎が多いから難しいんですかね…。これからもちょくちょく覗きますね。 (2020年2月23日 19時) (レス) id: cbf5c5978e (このIDを非表示/違反報告)
通行人M - うわわ…ほんと…好みです……ありがとうございます…… (2019年7月31日 20時) (レス) id: ea843ff10e (このIDを非表示/違反報告)
月夜魔法 ルナ - すごくおもそろかったです! (2018年7月15日 10時) (レス) id: 26180cce76 (このIDを非表示/違反報告)
タルト(プロフ) - 読んでいてとても楽しいです。読みやすく最高です!!これからも頑張ってください、応援しています! (2018年5月17日 19時) (レス) id: ac7dbf19f0 (このIDを非表示/違反報告)
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