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タータくんと分かれ、キーフリーたちが集まっている上階へと着いた時には、ココがノルノアさんから魔墨を貰っているところだった。
「タータとは話せたかい?」
「うん、杖を作ってもらう約束までしちゃった。ココは試し描き用の魔墨を貰ったのね」
「はい!銀葉樹のことも知れました」
新たな知識を蓄えたココは、嬉しそうに魔墨の入った小瓶を抱きしめる。
「じゃあ早速描きに行ってみないとね。きっとココにピッタリの杖が見つかる筈だよ」
「先生、私たち先にお店に降りてて良い?」
「あぁ、いいよ。僕はノルノアさんに注文したいものがあるから」
「私たちもすぐに行くね」
テティアに背中を押されてココは笑顔で階段を降りていく。
私もキーフリーと同じく買いたいものがあってノルノアさんに尋ねる。
「月蒼花の粉ってありますか?」
「おぉ、あるぞい。量はどのくらいをお求めかな?」
「さっきココが持っていたくらいの小瓶の量の魔墨に混ぜてもらえると助かります」
「承った。キーフリーの注文は紙だけでよいな?」
「はい、お願いします」
「すぐに用意する、少し待っとれ」
ノルノアさんが奥に消え、私とキーフリーは顔を見合わせてこの最上階にある数々の魔法道具たちを眺めていく。
本当にこのお店は何度来ても飽きないくらい、たくさんの素晴らしい魔法道具が置かれているのだ。
「A!これ、とても良い手触りだよ」
「本当だ…何の素材かな?ずっと触ってても飽きない」
「たまにはオルーギオも一緒に来たいものだね」
「そうね、魔法器制作で時間が無いのは分かるけど息抜きも大切だもの」
こんな感じでいつも気付いたら時間が経っている程に、商品を見ていく。
ノルノアさんが商品片手に戻ってきたのは暫くしてからのことだった。
「待たせたの。ほれ、Aのはこれじゃ」
手に乗せられた小瓶の中の魔墨は何の変化も無いように見える。しかし、これを使って魔法を使うと効果が長持ちするのだ。
以前購入したものはつい最近使用して、使い切ってしまった。
「ありがとう、ノルノアさん!」
「そんなに喜んでくれると嬉しいもんじゃな。キーフリーのは在庫にも無かったから注文しておいた。入荷したらまた連絡しよう」
「分かりました。ありがとうございます」
「あぁ、そうだ。少し余っている材料があっての。持ってくるから待っておれ」
「僕はココたちを呼んでくるよ」
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アストル(プロフ) - 通行人Mさん» 2回目のコメントありがとうございます!また来てくださって嬉しいです(´˘`*)ほんとに中々ありませんもんね...私も少しずつわかってきた原作の設定を織り交ぜていこうと考えています。オチをどのようにするか迷いますね.... (2020年2月23日 22時) (レス) id: b8413c3aa3 (このIDを非表示/違反報告)
通行人M - 単行本買ってから思い出して来てみましたー。それにしてもΔ帽子の夢作品増えませんね…設定が緻密でまだまだ謎が多いから難しいんですかね…。これからもちょくちょく覗きますね。 (2020年2月23日 19時) (レス) id: cbf5c5978e (このIDを非表示/違反報告)
通行人M - うわわ…ほんと…好みです……ありがとうございます…… (2019年7月31日 20時) (レス) id: ea843ff10e (このIDを非表示/違反報告)
月夜魔法 ルナ - すごくおもそろかったです! (2018年7月15日 10時) (レス) id: 26180cce76 (このIDを非表示/違反報告)
タルト(プロフ) - 読んでいてとても楽しいです。読みやすく最高です!!これからも頑張ってください、応援しています! (2018年5月17日 19時) (レス) id: ac7dbf19f0 (このIDを非表示/違反報告)
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