70.｢人格が出てくるってありかよ」前半 ページ24
＜Aside＞
ワームの牙を先生に渡し、本格的に俺らの遠征は終わる。
周りを見渡すとちらほら人間がいた。
チラチラとこちらを見ている気配がするが気にしない。
気にするだけ無駄だからな。
そんなことを考えているとふと、視界がゆがんだ。
A「…っ……？」
洞窟の中で一度、気を失ったからだろうか。
雨の前がじわじわと黒く塗りつぶされていく。
完全に俺の視界が黒いインクでぶちまけられたように回りが見えなくなると、その瞬間俺の記憶が飛んだ。
・
・
・
目を開けると、もう一人の俺がいる部屋だった。
相変わらず、もう一人の俺はニコニコと気持ち悪い笑顔でそこに立っている。
A「お前が呼んだのか。」
赤のA「そうダ。」
俺の質問に淡々と答えるもう一人の俺。
「お前モ薄々気づイているだロ？魔力が足りてないンダよ。主トなるカノンから貰エないかラ。」その言葉に舌打ちをする。
「だカら、俺を抑エル力が弱くなって、コうして俺はお前をココに呼ぶことがデキた。」そう言いながら嬉しそうにクスクスと笑う。
分かっていたことだったがこんなにも早い段階でこいつが動き出すとは思っていなかった……。
A「……で？…お前はどうしたいんだ？」
赤のA「…んー。ソウだね。とりアエず外に出よウか。ンでこの人間界を壊す……。」
…。
やっぱりか。
もう一人の俺の言葉に何も言えない。
もともとこいつは俺が作った人格だ。
昔、俺が自分を守るために出した。
とても面倒くさい人格が…動き出した。
71.｢人格が出てくるってありかよ」中半→←69.｢遠征終了」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 27人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ナルス(プロフ) - ひなたさん» ありがとうございます！！ (2018年2月4日 2時) (
レス) id: 0c168f8630 (このIDを非表示/違反報告)
ひなた - 続き楽しみにしてます！これからも頑張って下さい！！ (2018年2月3日 2時) (レス) id: 0b9483743a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ナルス | 作成日時：2018年1月22日 19時
