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4月9日
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Aと過ごす時間はいつしか俺の中で必然的なものになっていった。
きっと俺はAのことが___
いや、なんでもない。
それを認めたら終わってしまうような気がして、
約束を破ってしまうから、
自分の心の中にも嘘をつくことしか出来ない。
「 こんばんは 」
照のお見舞いの後、俺がいつものように屋上のドアを開けると
「 あれ 」
そこにAの姿はなかった。
「 珍しいな、 」
時刻は20:20。いつもならAは俺より早い時間に来ているはずなのに。
しかも今日はAが好きなエクレアの新作を持ってきたんだけどな。
気長に待つか、とベンチに腰かけたとき屋上のドアが開いた。
「 ああ、きてたんですね 」
と言いながら定位置のベンチへと来るのはA。
「 はい、これ 」
俺は、先に今日のエクレアをAに渡した。
…って、
「 え、今、階段から来た?? 」
初めて、Aが屋上のドアから来るのを見た。
あまりにも自然すぎて、反応が遅くなったけど
Aって、ハシゴ以外のところから来るんだ…
「 え?そうですけど…私をなんだと思ってるんすか 」(笑
「 だって見たこと無かったし、知らなかったし… 」
「 深澤さん、私のことなんも知りませんもんね 」
干渉するなって言ったのはそっちだろ、って言うと
「 別にもう深澤さんにならいいですけど 」
って、空を見上げて呟いたAの少し小さい声が俺の耳には届いた。
「 …じゃあ、教えてよ 」
「 …非現実的ですけど 」
Aが自分のことについて話してくれる時が、来た。
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a.(プロフ) - ちなこさん» 読んでいただきありがとうございました、感動したと言っていただけて本当に嬉しいです、こちらこそありがとうございます^^* (2020年7月16日 14時) (レス) id: b266b51c87 (このIDを非表示/違反報告)
a.(プロフ) - ソニックマニアさん» 読んでいただきありがとうございました、初めてファンタジーのお話を書いたので不安だったのですがそう言っていただけて本当に嬉しいです^^ (2020年7月16日 14時) (レス) id: b266b51c87 (このIDを非表示/違反報告)
a.(プロフ) - クレーンゲームに住む化け物さん» お読みいただきありがとうございました^^ (2020年7月16日 14時) (レス) id: b266b51c87 (このIDを非表示/違反報告)
ちなこ(プロフ) - すっごくすごく素敵で感動しました。素敵な時間を過ごせましたありがとうございました (2020年7月14日 1時) (レス) id: 3adce2c6d7 (このIDを非表示/違反報告)
ソニックマニア(プロフ) - はじめまして。ファンタジーは読み進まないことが多いのですが、とても読みやすく最後まで一気に楽しませていただきました!他の作品ものぞかせていただきますね(^^)ありがとうございました。 (2020年7月13日 7時) (レス) id: 8e1cd423bc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:a. | 作成日時:2020年7月12日 18時