44 O side ページ44
「私達も連絡取れなくて、Aの実家に行ってみたりもしたんだけど、ご家族さんは元気にやってるって言ってたから、まぁAが幸せならそれでいいかなって思ってたんだけどなんか訳ありだったりする?大谷くん」
「…」
今まで黙っていた柴咲さんが口を開いた。
「ねぇ、もしかしてAと大谷、なんかあったの?」
「…」
「絶対なんかあったんじゃん」
「…」
「Aのこと泣かせたの?」
「…違う」
「じゃあ何?Aのこと傷つけたんだったら私許さないから」
「…」
柴咲さんは答えない俺に対してだんだんイライラしているようだった。
「なんとか言ったら?」
「…」
「なんでなんも言わないわけ?」
「…ごめん」
「ごめん?ごめんって何?Aに何したの!?Aがいなくなったの大谷のせいだったら私週刊誌にデマでも何でも言ってあんたのことっ」
「友香里やめなって!大谷くん、ごめんね」
「いや…大丈夫」
柴咲さんは見た目や口調はこんなんだけど、何よりも友達を大事にする人間だ。特にAのことは可愛がっていた。
だからこそ近くにいてAが抱えた"何か"に気付いてあげられなかった自分への苛立ちも俺に向いているんだろう。
けど、俺だって分からない、なんでAがいなくなったのか、
俺は…俺はてっきり
「…Aと同じ気持ちだと思ったんだけど、違った、のかな」
「…やっぱなんかあったんだね、大谷くん、Aのこと名前で呼んだことなかったもんね」
「大谷が分かんないなんて言ったらもうどうしたらいいわけ…
だってAのこと誰よりも知ってるの大谷じゃん」
「…」
女性と関わりを持たない俺は身内以外の女性はAしか知らない。
俺にとってAが女性の全てだった。
その全てだと思っていた人が綺麗さっぱりと自分の目の前から消えてしまった。
俺はAの全部を知った気になっていただけなのかも知れない。
結局、Aの現状も結婚の真意も分からないまま俺はアメリカに向かう事になった。
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nanami(プロフ) - れいさん» コメントありがとうございます!楽しんでいただけてとても嬉しいです( ; ; )!更新頑張りますのでよろしくお願いします! (2023年4月13日 23時) (レス) id: e69a6fea83 (このIDを非表示/違反報告)
れい(プロフ) - いつも楽しく読ませて頂いてます♡♡続きがとっても気になります(><)!!これからも更新頑張ってください☆ (2023年4月13日 23時) (レス) @page50 id: 05a7f2dc28 (このIDを非表示/違反報告)
nanami(プロフ) - 麻美さん» コメントありがとうございます!楽しんでいただけているようでとても嬉しいです!(^^) 更新頑張りますのでよろしくお願いします! (2023年4月13日 22時) (レス) id: e69a6fea83 (このIDを非表示/違反報告)
麻美(プロフ) - 続きが気になります!更新楽しみしてます!更新頑張って下さい(^^) (2023年4月13日 18時) (レス) @page49 id: 48ac5be23b (このIDを非表示/違反報告)
nanami(プロフ) - ゴリラさん» コメントありがとうございます!楽しんでいただけているようでとても嬉しいです!(^^) お気遣いありがとうございます(;o;)!更新頑張りますのでよろしくお願いします! (2023年4月13日 9時) (レス) id: 0b13e51f49 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:nanami | 作成日時:2023年3月24日 7時