愛してほしいと叫んだのは、

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ついに迎えた卒業式の日。
大谷くんはもう北海道に引っ越していて野球選手としてキャンプに参加しているらしい。
そんな彼も今日はここに帰ってきた。





卒業式も終わって、アルバムを貰い、先生からの挨拶も終わってあとは個々に写真や挨拶をしていつでも帰っていいと言われた。



この教室で勉強をする事も、本を読む事も、友達と話す事も、大谷くんと挨拶を交わす毎日も…もうない。

全部思い出に変わっていく。



大谷くんの方を見れば皆に囲まれていた。
他のクラスからもたくさん人が来ていて、大谷くんの人気ぶりに驚かされる。

友香里と麗花と私は三人で写真をたくさん撮った。
大谷くんに皆が群がっている光景を見て友香里が、はー大谷選手になってさらにモテモテになっちゃったねって全くもって興味なさそうに呟いた。
麗花に至っては携帯を触りながらそうだねーって返事をしていた。


「私達、Aと大谷カップルが一番好きだからああいうの見ると冷めるわー」

「友香里に同感」

「カップル？！」

「だって大谷、絶対Aのこと好きだよ」

「側から見たらバレバレだよね」

「ないないない！大谷くんが私を好きだなんて！友達だよ！」

「てか、Aは大谷のことどう思ってんの」

「私も気になる」

「え！」

どう思うか？改めて聞かれるとどうなんだろう、と考える。
大谷くんは優しくて、性格が良くて、頭もいいし、面白いし、スポーツも出来る。そして、自分というものをしっかり持っていてブレない強さがある。
この高校生活は大谷くんにたくさんのことを教えてもらって、助けてもらった。自分を変えることが出来たのも大谷くんのおかげ。



大谷くんの方を見ていたら目が合った。





手を挙げてニコッと笑ってくれる。


















あ、私、大谷くんのこと…

「好き」












「「え！？」」

友香里と麗花は私の突然の告白に驚いている。



「Aが大胆なんだけど！」

「まさかそんなストレートな答えが返ってくるなんて…」





手を挙げてくれた大谷くんは群衆を掻き分けてこっちに来てくれた。






それを見て友香里と麗花は飲み物買ってくるー！と言っていなくなってしまった。

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