それでもゆうきをだして.E ページ37
カツ、とヒールの鳴る音がした。視線を上げると、彼女は足を踏み出していた。もう、迷惑をかけない、ということは。俺とはもう、会わないと言うことだろうか。お互い顔も知らない頃に戻してしまうと言うことだろうか。
「迷惑でしたか」
何を言ってるのか、俺にも分からない。でも、彼女の背中に問いかける。
「俺はすごく、楽しかった」
彼女の足は止まる。俺は足を踏み出した。一歩ずつ、距離が縮まる。ただ、彼女を失いたくなくて。
「えおえおが俺で、がっかりしましたか？」
情けない俺が、嫌になっただろうか？何もうまく言えない俺を、見限ってしまっただろうか？それでも、俺は諦められなかった。彼女が目の前に居たんだから。
「…がっかりなんて、しません」
彼女の声は、震えていた。彼女が顔を上げると、反動でその目から涙が落ちた。
「あなたが好きなんです」
思わず、抱きしめた。Aさんは特に俺を拒もうとはしなかった。ただ彼女は少女のように泣きじゃくるだけだった。
「好きやから、迷惑かけたくないんです」
「…迷惑じゃないです」
色々考えても、やっぱり手放せない。手放したくない。だって、
「俺もAさんが好きです」
「嘘や」
「嘘でこんなこといいません」
「やからって、こんなん、信じられへん」
「俺も信じれてないです」
敬語も標準語も話せなくなっている彼女よりも、もっと。この夢のような現状を信じきれないのは俺だった。
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もっち(プロフ) - さくらんぼの種さん» はわわ嬉しいです！そんなに言っていただけるとは！新作も頑張っていきますのでよければお付き合いください！前も今回もコメントありがとうございました！ (2018年6月4日 20時) (
レス) id: d1689b7237 (このIDを非表示/違反報告)
さくらんぼの種(プロフ) - 完結おめでとうございます！更新されるたびにドキドキして楽しく読ませてもらいました。これからもちょくちょくきて、一気読みしたりしますね。何回読んでも飽きないこの作品が大好きです。新作、楽しみにしてます！ (2018年6月4日 16時) (レス) id: 3066f17872 (このIDを非表示/違反報告)
もっち(プロフ) - 金平糖さん» 嬉しいお言葉ありがとうございます！ずっと見ていただいてくれていたんですね！本当にありがとうございました (2018年6月4日 14時) (レス) id: d1689b7237 (このIDを非表示/違反報告)
金平糖(プロフ) - 完結おめでとうございます！書き方とか、表現とかがとても上手で、見やすかったです。更新される度ワクワクしてました。あと勉強になりました。ありがとうございます。 (2018年6月4日 14時) (レス) id: 942887e5ad (このIDを非表示/違反報告)
もっち(プロフ) - さくらんぼの種さん» ひええ…コメントありがとうございます！嬉しいです。至らない点あると思いますが、絶対に完結させますのでよければお付き合いください (2018年4月23日 9時) (レス) id: d1689b7237 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もっち | 作成日時：2017年7月14日 0時
