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「なかなか会えんでごめんな」
「うん...大丈夫」
「俺に会いたかった？」
狙いすましたような言葉に恥ずかしくなって、思わず顔を伏せた。
どう答えるかわかっているくせに、わざと尋ねてくる。
何食わぬ顔をして、私の反応を楽しんでる。
こうして意地悪されるのにも慣れていかなきゃ。
こんなの、これからは "いつものこと" になるんだから。
「なんで下向くん」
「...リリーさんのせいでしょ」
「なんで」
頭の上で、ふふっ、と笑う声がする。
「顔見せて」
緩い力で頬をつねられた。
仕方なく顔を上げると、リリーさんは満足げに微笑む。
「やっぱかわいいな」
むにむに、と私の頬を触り続けて、にやにや、にやにや。
「...なに笑ってるの」
「いや、こんなかわいいのが俺のもんやと思うと...」
「...かわいくないよ」
「わかっとらんなぁ。そういうのが一番そそられるんやって」
容赦のない殺し文句と、不意打ちのキスで、私の体は一発でとろけた。
また抱きしめられて、大きな掌が私の髪を撫でる。
リリーさんの胸の鼓動が耳に響く。
落ち着くのと、ドキドキするのとで、さっきからずっと...心が忙しい。
「ちゃんとお泊まりセット持ってきた？」
私の背の後ろにあるバッグの中で、歯ブラシとメイク落としとオールインワンの美容液がにっこりと微笑む。
「持ってきた...」
「今日でほんまに俺のもんやな」
「.....」
「Aの全部、今からもらう」
途端に顔が熱くなって、頷くことしかできなかった。
この人になら、心も体も、私を全部あげてもいい。
そう決めたのは間違いじゃなかった。
よくない噂や勝手な嘘は、いつも、見えないくらいの遠くから沸いてくる。
こんなふうに、体温が同じになるくらいに近づかないと、本当のことなんて...たぶんわからない。
「ずっと我慢しとったから」
「うん...」
「はよ、見せて」
後ろに倒されて、かぶさってくる重みに耐えた。
すぐに、骨張った指が私の体のラインを辿る。
厚みのある唇が鎖骨を這って、くすぐったさに息を飲んだ。
ねえ。
受け止める準備はもう、できてるよ。
「もう、...ええよな？」
「...あ、」
「ん、なに...？」
「...なんでもない」
(...甘い...)
乱れて頬にかかった私の髪から、リリーさんと同じにおいがした。
fin.
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「リリーさんと初めてのお泊まりで甘々」
リクエストありがとうございました☆
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20212022 / りりー→←melty / りりー〈request〉
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えむ(プロフ) - HanNAさん» こちらこそいつもありがとう☆また来年もよろしくです！！ (2021年12月31日 8時) (
レス) id: 811416b436 (このIDを非表示/違反報告)
HanNA(プロフ) - えむちゃん、いつも素敵なお話ありがとうございます！よいお年をお迎えくださいー (2021年12月29日 1時) (レス) @page26 id: ea9d2e9102 (このIDを非表示/違反報告)
えむ(プロフ) - みかみかさん» コメントありがとうございます☆あー、良かったですー。喜んでいただけて、ほっとしました^_^ いろいろ想像しながら書くのが楽しかったです☆こちらこそ良い機会をありがとうございました。是非またどうぞです☆ (2021年11月6日 20時) (レス) id: 811416b436 (このIDを非表示/違反報告)
みかみか - 早速読ませていただきました！！もう最高でした！キュンどころじゃないですズッキュン心ぶち抜かれました（笑）えむさんの言葉選びほんとに好きです！素敵なお話ありがとうございました(T▽T) (2021年11月6日 6時) (レス) id: b0f25e0f76 (このIDを非表示/違反報告)
みかみか - えむさん» はい！もちろんゆっくりで大丈夫です！読んだ後感想も書かせて頂きます！素敵な作品お待ちしてます！ (2021年11月1日 23時) (レス) id: b0f25e0f76 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：えむ | 作成日時：2021年9月19日 22時
