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物知りなお客 ページ4

「何の御用で…?」


表には大層高そうな着物に身を包んだ二人の青年が立っていた


?「いや、お賽銭箱どこかな〜って」

「お賽銭…?あぁ…ちょっと待っとって下さい」


今日は一日神社を留守にする予定だったからお賽銭箱開けていない


「お客さん、こっち来て」


そう言って玄関から境内の方に案内した


――――――


賽銭箱まではそんなに遠くない、境内を過ぎ右折した先を真っ直ぐ進む


?「うわぁ…綺麗な花園、ですね!!」

?「凄っ…」


彼らが目にしているのは脇道に咲くたくさんの花々


「それはな、この神社のお師匠様が代々育ててきた花なんやで」


露を浴びて花を咲かす朝、夕、夜顔、その上にはアーチ状に咲き誇る淡い百日紅
そして池の畔ひっそりと存在感を現す萩の花

どれもお師匠様が丹精込めて育てていた四季折々の花、今は夏の花が咲き誇っている


?「あ、そうだ!朝顔の花言葉って知ってる?」


突然小柄な青年がもう一人の青年に質問をなげかけた


?「え、知らない…」

?「なんでもいいから言ってみて」


朝顔の花言葉、…なんやったろうか


?「お兄さんは分かります?」


彼の質問の標的が俺に変わった


「んーせやな…思いつかへん」

?「固い絆…です」

「固い絆、いい響きや」

?「はい、他にも儚い恋、愛情なんかあったりして」

「結構物知りなんやね」

?「いえいえ、友達に教えてもらっただけですから笑」


素敵なお友達なんやな、とほっこり


それから賽銭箱に到着し重い扉を持ち上げ賽銭箱の入れ口を開けた


「どうぞ」

?「どもども!!」

?「じゃあ俺も…」


チャリンチャリンと静かに賽銭が落ちる音が鳴った


「でもなんでこんな人里離れた神社に来られたんや?」

?「…ん、そうだなぁ…あ!ここってお稲荷様で有名でしょ?」

「お稲荷様?なんやそれ」

?「お稲荷様知らないのかよ…」

?「お稲荷様はね、五穀豊穣の神様のことを言うんだよ」

「そうなんや…勉強になるわ」

?「お前…ちゃんと勉強した方がいいぞ、俺が言えねぇけど」


…なんやねんこいつ


?「こらこら…そんな言い方したら失礼でしょ?」

「いえいえ、知識不足の俺が悪いので…」


本当は…んな事思ってへんけど――


深「うわあぁぁやばいやばい…燃える燃える!!」


突然深澤の大声が屋敷の方から響き渡った


?「何事!?」

?「お前急いで戻った方がいいんじゃね?」


お客に急かされ台所に戻るとそこは真っ黒な煙で覆われていた

緊急避難せよ→←仲良い?仲悪い?



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雨乃ふあ(プロフ) - えなさん» 閲覧していただきありがとうございます。毎日更新できるように頑張ります (2021年3月10日 2時) (レス) id: bc9832efa4 (このIDを非表示/違反報告)
えな(プロフ) - 面白いです!更新頑張ってください (2021年3月8日 12時) (レス) id: dc9b401a24 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:雨乃ふあ | 作成日時:2021年1月26日 13時

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