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渡辺side


♪通りゃんせ、通りゃんせ

ここはどこの細道じゃ
天神様の細道じゃ

ちっと通して下しゃんせ


「…何?誰なの?」


♪御用のないもの通しゃせぬ

この子の七つのお祝いに
お礼をおさめにまいります


「…お父さん…お母さん、怖い…」


♪行きはよいよい帰りはこわい

こわいながらも通りゃんせ
通りゃんせ


?「…君、一人?」


背後には不思議な童歌を歌い無邪気な笑顔を見せる少年が立っていた


「…お父さんとお母さんと一緒だったんだけど…いつの間にか居なくなっちゃって…」

?「そう、なんだ…ねぇ、僕と遊ぼうよ」


そう言って鞠を地面に打ちつけた


?「こうやって遊ぶんだよ」

「それ面白い…なんて言うの?」

?「鞠だよ、君もやってみて」


初めて見知らぬ子と鞠というもので遊んだ


「…あ、暗くなる」

?「もう帰らなくちゃね」

「ねぇねぇ!!君名前なんて言うの?」

?「…僕?えっへへ、____って言うんだ」

「____君か…僕は翔太」

_「なんか僕達似たもの同士って感じ」

「本当だ笑…また明日も遊ぼうね」

_「うん、約束」


―――――


「…約束か」


不意に思い出した子供の頃の記憶

出来事はしっかり覚えている、だけど何故か少年の名前はどうしても思い出せなかった


「なんていう子…だったっけ」


俺の記憶そろそろ馬鹿になってきたのか…?それとも認知症か?嘘だろ


「でもまぁ…元気にしているかな、あの子」


俺が目が見えなくなって社から出ることが無くなったから会いに行くこともなくなったんだよね


佐「あの子って、何の話?」

「お、おい…部屋に来るなら一言声をかけろ」


いきなりテンションが高い方の客が部屋に入ってきた


「なんの用事?」

佐「その…独り言全部聞いてて…」

「趣味が悪いですね、お客様」

佐「す、すみません…それであの子って?」


深堀されそうだけど正直もう覚えてない


「覚えてないよ…子供の頃の記憶だし」

佐「そう、ですよね…」

「な、なんだよ…」


俺なんか悪いことしたみたいじゃん


佐「いやいや、なんでもないです。それよりすみません急に部屋に入ってきて…って、ねぇ!!」

「今度は何?」

佐「この鈴どこで見つけた?」

「鈴…?」


そんなもの部屋に置いていたっけ?


「部屋にあるものは康二が飾ってるから康二に聞いて」


家の管理は全て康二がやっている


佐「…わかった!!ありがとう」


お礼を言われる筋合いなんて無いのに


「変な奴だな」

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雨乃ふあ(プロフ) - えなさん» 閲覧していただきありがとうございます。毎日更新できるように頑張ります (2021年3月10日 2時) (レス) id: bc9832efa4 (このIDを非表示/違反報告)
えな(プロフ) - 面白いです!更新頑張ってください (2021年3月8日 12時) (レス) id: dc9b401a24 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:雨乃ふあ | 作成日時:2021年1月26日 13時

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