ギャァァ！モウ一匹ノ鬼連レ！鬼連レェ！！

16.甘味 ページ16

＿我妻side


ぜんざいを2つ注文し、窓側の席に座った

『冷たいぜんざい楽しみだね』

善逸「クリームサービスしてくれないかなぁ」

冷えたあんこやクリームがふんだんに乗ったぜんざい

女の子と来た時の前に調べておいた情報がここで役に立つなんて

Aちゃんも喜んでくれたし、万々歳だ

善逸「どうして急に贈り物をしようと思ったの？」

『いつもありがとうって思って』

善逸「そっか」

優しいなぁとしみじみ思う

他の隊士たちはして当たり前と思っていることなのに

その有難みに気付いてお礼の贈り物だなんて

善逸「Aちゃんは優しいね」

『..全然そんなこと無いよ』

Aちゃんは笑顔で言っていたけど、どこか引っかかった

魚の小骨が喉につっかえたみたいな

善逸「どうして」

どうしてそんな顔するの、

言い終える前にぜんざいがきた

店員「おぜんざいです」

洋風の前掛けをつけた女の子だった

いつもなら可愛いなって思うはずなのに

Aちゃんのあの笑顔が気になる

胸のあたりがモヤモヤする

苦しい

でも、きっとあの音は

拒否してる音だ、

だから踏み込めない

気付かないふりしかできない

Aちゃんに嫌われたくないから

わざと知らないふうにする

ごめん、意気地無しでごめん

この澱んだ気持ちが全部甘い物と一緒に流れてくれたら良いのに


善逸「クリームいっぱい乗ってたね」

クリームが付いているだろう頬をキュッとあげて

Aちゃんが好きだと言ってくれた笑顔を見せた

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