5y 6 ページ27
エ「いつ見ても大きいねーこの門！」
エマは繋いでいた手を離し、門へと近付いて行った。
ノーマンもエマに続いてゆっくりと歩いていく。
エ「…部屋の中、全然変わってないよー！」
ノ「本当だ、
門の柵の中もあの時と変わってない」
エ「もう誰も住んで無いなかなぁ。」
エマはあの時の様に窓から中を覗き込むと、鉄格子を掴んで中を見るノーマンに目を向けた。
『(怖い…足が…動かない)』
2人が門の近くで楽しそうに話しているのとは対照的に、Aはその場に立ち竦んでいた。
早く2人の元に行かなければと頭では分かっているのだが、エマに手を離された場所のまま、まるで地面に縫い付けられたかの様に足はびくともしない。
3歳か4歳になりたてだった時、一度4人でこの門を訪れていた。
その時の事はエマがキリンさんに乗りたいと言っていた事やみんなで秘密を共有したと言う楽しい思い出であった。
でも、あの時と今は違う
『(ここで、メイは…みんなは…)』
繰り返す悲しみとこの世界の残酷さ、そしてまだ何もできない自分へのやるせなさで鼻がツンとした。
「…、…A、行かねえのか？」
『…レ…イ』
外に出る前に水を飲んできたはずなのに、喉はカラカラで、Aはレイの名前を声にする事で精一杯だった。
レ「…おい、大丈夫か？
顔色が良くない『だ、大丈夫！！』」
差し伸べたレイの手を払い、Aはその場からはじかれたようにエマの元へと駆け寄った。
レ「…A」
。。。
エ「…レイとA、なんで来ないんだろう」
ノ「何を話してるんだろうね。呼んでみようか？」
エ「あーでも、レイの邪魔しちゃ悪いか…
あ、こっちに走ってくる」
ノ「(レイのやつ、また何か言ったな…)」
レイは優しいが、言葉足らずなところはある
ノ「どうかした？…」
走ってきたAに声をかけたノーマンは、そのAの表情がさっきよりも強張っているように見えた。
ノ「(手が…震えてる)
もしかして体調あんまり良くない？」
そう聞くとAは
『あ、大丈夫大丈夫！
久しぶりに走ったからちょっと疲れただけ』
とにこりと微笑んだ。
ノ「エマ、今日はもう戻ろうか
あんまり長居しちゃうとママに叱られちゃうし」
エ「…そうだね、
ご飯の時間までまだ少しあるし、帰りはゆっくり
帰ろう！！」
Aは帰りもエマに手を繋がれ、4人は森を後にした。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 277人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「約束のネバーランド」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
れん - とても面白いです！更新頑張って下さい (2020年8月17日 2時) (
レス) id: badd7d2e72 (このIDを非表示/違反報告)
かなみ(プロフ) - あんさん» はじめまして。お立ち寄りいただきありがとうございます。左様でございます！！モールスについてコメ頂いたの初めてでとても嬉しいです！！（涙）これからもよろしくお願いします！！ (2020年3月28日 22時) (レス) id: b605df076c (このIDを非表示/違反報告)
あん(プロフ) - はじめまして。素敵な作品で感動しております。【4y。2】｢わかれのそばに｣ですか？（すみません不都合でしたら削除しますのでゆってください） (2020年3月11日 0時) (レス) id: 6cd36f95aa (このIDを非表示/違反報告)
かなみ(プロフ) - ネギトロ81194さん» ありがとうございます！嬉しさで吐血しそうです…頑張ります…！！ (2019年11月3日 22時) (レス) id: b605df076c (このIDを非表示/違反報告)
ネギトロ81194 - 続き待ってます！頑張って下さい！！！ (2019年11月1日 18時) (レス) id: 8e841cc71d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：かなみ | 作成日時：2019年7月11日 23時
