ちび、動きます《Y.M》

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それからまた練習を重ね、


W杯を迎えた。


今まで勝つことの厳しかった国のチームに


勝利したり、強豪相手に12年ぶりにセットを


とったりと、日本は快進撃を見せて、


会場中を湧かせた。




ブラジル戦で負け、4位が確定してもなお


彼らの戦意は一寸も削がれていなかった。








そしてカナダ戦＿＿。





フルセットまで持ち込んだカナダとのゲーム。


15点を先取すれば勝利となる、第5セット目。


私は有難くも関係者席で


竹内さんと同じ全日本の黒いジャージを着て


そのゲームをずっと見ていた。




日本が9点目をとり、


有志にサーブ権が移ると、


観客の方の西田コールは鳴り止まない。




有志がボールを上に高くあげ、


思い切り腕を振る。 すると、


相手を弾き飛ばすほどの強烈なサーブが入り、


有志のサービスエースに。




会場はもう西田コールでいっぱいで。


そして彼は、もう一本サービスエースを決めた。


そこから彼のサーブから山内さんのブロックポイント、


また彼のサービスエース、、、


日本がマッチポイントを握ってもなお、


彼のサーブが続く。


会場の観客は総立ちで、


有志へコールを送り続ける。




また彼がサーブを打つ。


ﾊﾞｼﾝｯ


カナダの選手がレセプション、


完全に体制を崩すと、


有志のサーブを上げきれず、


ボールがフロアに落ちる。



ﾜｰｰｰｰｰｯ!!!!


観客がバルーンスティックを叩き、


日本の勝利を祝福する。




ベンチの選手も皆コートに駆けて行き、全員で


勝利を喜んでいる。


竹内｢勝った……！やったわね！Aちゃん！｣


『ｯはい！……本当にすごかったです……！』


私の目からは自然とぽろぽろ涙が零れ落ちる。


竹内さんと抱き合いながら勝利を喜ぶ。



選手の方に視線を戻すと、


まさくんがこちらにVのハンドサインを


とびきりの笑顔で向けている。


私も、涙を拭って彼にＶサイン。




本当に、ハラハラして、でも面白くて、


格好良くて、素敵なゲームだった！！






.







世界第4位、W杯8勝の功績を挙げ、



男子のW杯も幕を閉じた。

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