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『……お待たせ。』


大きな雷が落ちた日、まさくんと話した


宿舎のベンチへ行けば、


彼は既にそこで座って待っていた。


柳田「…良かった。来てくれないかもって、
思ってたから。」


笑いながらも、寂しそうな顔をして彼が言うから


私まで鼻の奥がツンとして泣きそうになるけど、


それを堪えて言葉を喉からしぼりだす。


『………ん、それで話って何、かな。』


私がそう聞けば、彼はその表情のまま、


ちょっと俯いてぽつりぽつりと話を始めた。


柳田「何か、さ、」


『……うん。』


柳田「Aさ、俺の事、避けてる…?」


『……ッそんなことないよ』


私は馬鹿だから、


最後の最後までシラを切る。


柳田「ほんとのこと言えよ。……ね、俺結構
お前と話せないの、しんどいよ。」


普段、あんなにキリッとした顔の彼が


こんな表情をするなんて……。


シラを切っている自分が馬鹿馬鹿しく、


泣きそうな彼に罪悪感を感じる。


『……ごめん、本当はちょっと距離とってた。
でも、そうしないといけなかったの。
私の為にも、まさくんのためにも。
…ごめんね、こんなただの臨時で入ったマネが
こんな、選手に迷惑とか、不安とか、
感じさせちゃダメなのに。』


まさくんは、ゆっくりと横に首を振って、


話を続けた。


柳田「……午後の練習で祐希の奴に言われた。
有志とかに、お前のこと
取られちゃうんじゃないかって。」


『え……?』


柳田「ずっと諦めてたんだよ。
お前は俺より歳もずっと下で、それに俺は
W杯が終わったらすぐに
ドイツに行かなきゃならなくて……。
……俺はバレーを捨てられない、から」


『何、まさくん……なにいってるの。
どういうこと……?』


頭の中で彼の言うことの整理がつかないまま、


彼は一呼吸置いて、言った。








.




柳田「A、好きだよ。」

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ちくし(プロフ) - 零崎哀識さん» コメントありがとうございます。ご心配おかけしまして申し訳ございません。当方人差し指でスマホ操作を行うので長文を書くのが難しくなりました。できるだけ早くお話が書けるよう頑張りますのでもう少々お待ち頂けますようお願いします。 (2019年11月3日 13時) (レス) id: 6513d7205c (このIDを非表示/違反報告)
零崎哀識(プロフ) - コメント失礼します。いつも楽しく読ませていただいてます!怪我の方お大事になさってください!更新楽しみに待ってます^^* (2019年11月2日 15時) (レス) id: 0970f9f72e (このIDを非表示/違反報告)
ちくし(プロフ) - 暁さん» ご指摘ありがとうございます。只今修正しましたのでご確認の程お願い致します。これからもご指摘の程よろしくお願い致します。 (2019年10月27日 15時) (レス) id: 6513d7205c (このIDを非表示/違反報告)
ちくし(プロフ) - あささん» お返事遅れてしまい申し訳ありません。ありがとうございます。更新速度に自信はありませんが、手当り次第バレーの知識に触れながら、続きを書いて参ります。よろしくお願い致します。 (2019年10月27日 15時) (レス) id: 6513d7205c (このIDを非表示/違反報告)
ちくし(プロフ) - 遥さん» お返事遅れてしまい申し訳ありません。続きを皆さんにお届けできるよう頑張りますので是非ともよろしくお願い致します。 (2019年10月27日 15時) (レス) id: 6513d7205c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ばばば | 作成日時:2019年10月25日 23時

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