ちび、動きます《Y.M》

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今は練習の合間の休憩。


選手の皆さんがドリンクやタオルを求めて


こちらにぞろぞろとやって来るので、


私と竹内さんでお配りする。


タオルを配っていた私に、声を掛ける人物が1人。


｢A、俺にもちょーだい。｣


＿＿まさくんだった。


彼から話しかけられ、


ぱっと顔が明るくなってしまうのを抑えて


彼のもとへ行き、お疲れ様とだけ言ってタオルを渡し、


渡し終えたらすぐに別の選手の方へ逃げる。




関田｢柳田さんと何かあったの？｣


私の肩を叩いてそう呼び止めたのは関田さん。


『っえ、何で…ですか。』


関田｢だってマネージャーなりたての頃は、
あんなにまさくんまさくんって
柳田さんから離れなかったのに最近2人が
一緒に話してるのあんま見かけないから…。｣


私が問えば関田さんはそう答えた。


答える彼は、本当に心配している といったような


表情で。


…………だめだ、ただのマネージャーが


選手に不安感を抱かせてはいけない。


『え、そうですか？…まぁ、選手の彼にばかり
頼ってもいられませんからね！
自分で出来ることはちゃんとやらなきゃって
思ってて。』


関田｢あ、そうだったんだ！それなら良かった。｣


関田さんは心配そうな顔から一転、


ころっと表情が変わり、ほっとしたような顔に。


……我ながら女優ばりの演技力だなぁ、なんて。


『心配かけちゃってごめんなさい。
…あ、そうだ。今日の有志へのトス、
とっても綺麗でした…！』


関田｢え、ありが……｣ ｢俺が何〜？｣


『有志！うん、関田さんの有志へのトスが
綺麗だったねって話だよ。』


有志が私と関田さんの間にわっと現れては、


興味津々そうに聞いてくる。


西田｢関田さんの話かぁ。…ね、それなら俺は？｣


『うん、そのトスの後にすんごい勢いで
スパイク叩きつけてた有志も、すごかったよ。
かっこよかった！』


西田｢まじ！？っしゃ。Aに褒められた！｣


『あはは、怪我に気をつけて、
この調子で頑張ってね。
私に出来ることは限られてるけど、
できる限り応援とかするから！』


関田｢Aちゃんにはもう充分助けられてるよ！｣


2人とお話していたら


もう休憩が終わりそうで。


2人はタオルと空のボトルを置いて、コートへ。




.



＿＿よしっ、私もこの練習が終わったら、


竹内さんと一緒に夕飯作りだ。


頑張らなくちゃ。

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