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『ッきゃあああ……!!』
耳を裂いた大きな音に
カゴを落としてしまい、
そのまま耳を抑えながらうずくまってしまう。
実は幼少期に、"辛い事" があった時に
聞いたのが、とても大きな雷の音で。
それから幼少期で、辛かった中ということもあり、
雷が苦手になってしまったのである。
__あの時は、お母さんがよしよしして、
泣き止ませてくれたんだっけな。
大きな雷が落ちたあとも、
ゴロゴロと雷の音が長く響いている。
『ッお母さん…………』
涙で軒下のコンクリが濡れる。
__あぁ、いい歳して恥ずかしいなぁ。
.
しばらくうずくまっていれば、
ゴロゴロとした雷の音に混じり、
トタトタという音が近づいてきているような
気がした。
「Aッ!」
私の名前を呼ぶ、大きな声がした。
ゆっくりと顔をあげればそこには、
練習中であるはずのまさくんがいた。
『ま…さ、くん』
柳田「っ大丈夫か!?
有志に10分前から戻ってきてないって
聞いてッ、雷驚いてるんじゃないかとか、
どっかでコケたかなとか……、
とにかく、心配した……!」
まくし立てるように言う彼の息はあがっている。
_走ってきてくれたのかな。
『驚いた、だけで、コケてない、し
大丈夫……』
柳田「いや全然大丈夫じゃないだろ……。
まず、立てる?」
『大丈夫、だよ。立てるよ。』
私はまさくんに肩を支えてもらいながら
ゆっくり立ち上がる。…が、ふらついてしまう。
そんな私を見てまさくんは
柳田「もー、ふらふらしてんじゃん。
ちょっと待って、タオルだけ軒下の中心に干そ。
シャツとかは全部乾いてるから
持ってけばいいし。」
まさくんは、私をバルコニーの
出入口側に寄りかからせ、てきぱきと
干すものを干していく。
柳田「……終わった。大丈夫?」
何度も何度も心配そうな顔で、
大丈夫かと聞くまさくん。
『大丈夫、ふらふらもしなくなったし……多分』
柳田「多分って何……とりあえず行こ。
このカゴと中身は洗濯室に置けばいいし。」
まさくんは、カゴを持って
私の腕をとって支えながら、
洗濯室の方へ歩き始めた。
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ちくし(プロフ) - 零崎哀識さん» コメントありがとうございます。ご心配おかけしまして申し訳ございません。当方人差し指でスマホ操作を行うので長文を書くのが難しくなりました。できるだけ早くお話が書けるよう頑張りますのでもう少々お待ち頂けますようお願いします。 (2019年11月3日 13時) (レス) id: 6513d7205c (このIDを非表示/違反報告)
零崎哀識(プロフ) - コメント失礼します。いつも楽しく読ませていただいてます!怪我の方お大事になさってください!更新楽しみに待ってます^^* (2019年11月2日 15時) (レス) id: 0970f9f72e (このIDを非表示/違反報告)
ちくし(プロフ) - 暁さん» ご指摘ありがとうございます。只今修正しましたのでご確認の程お願い致します。これからもご指摘の程よろしくお願い致します。 (2019年10月27日 15時) (レス) id: 6513d7205c (このIDを非表示/違反報告)
ちくし(プロフ) - あささん» お返事遅れてしまい申し訳ありません。ありがとうございます。更新速度に自信はありませんが、手当り次第バレーの知識に触れながら、続きを書いて参ります。よろしくお願い致します。 (2019年10月27日 15時) (レス) id: 6513d7205c (このIDを非表示/違反報告)
ちくし(プロフ) - 遥さん» お返事遅れてしまい申し訳ありません。続きを皆さんにお届けできるよう頑張りますので是非ともよろしくお願い致します。 (2019年10月27日 15時) (レス) id: 6513d7205c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ばばば | 作成日時:2019年10月25日 23時