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「A!?」
見なくてもわかるほど俺の顔は今とてつもなく赤いだろう
だって、こんなこと今までされたことないから
「なぁに」
幸せそうな顔をして俺を見つめてくるAに体が震え、無意識に体も歓喜していることがわかる
「お前、ほんとにっ……!」
なんて、なんていうこんな可愛いことをしてくるんだ!
お前普段の自分を思い返せ!こんなキャラじゃないやろ!
「ん〜…ぴーすのにおい…?」
ふと、Aは自分の服を嗅ぐ
…ヤベ、眠いくせに嗅覚はしっかりしてんのかよ
「それに…きみのにおい」
幸せそうな声を出して俺に抱きついてくるAに、ただ戸惑うことしかできない俺
「あの、Aさん……」
「…しょっ、ぴと…わたしの、においまざって…る…」
すんすんと俺の服を嗅いでくる姿を見て、もう俺は史上最強に顔がにやけている自信がある
しかも俺とおんなじ感想で……ああクソッ!恋人なら今すぐ絶対犯しとる、断言できる
……てか、もう我慢しなくてもいいのでは?
き、キスまでなら、許されるのでは……?
頭に浮かんだ邪な考えは考えれば考えるほど大きくなり、喉を鳴らしてAを改めて見つめる
「A……」
そっと肩を掴み、彼女を見据える
バクバクと心臓がうるさい、頭の中はもう真っ白だ
未だに眠たげな彼女の瞳からほのかなピンク色の薄い唇へと視線を下げ、どんどんと己の唇と近くなる
20、15、10、残り5センチ__
「は…は、ハックシッ!!」
「いでっ!?」
あともう少し、というところで何ということだろう……Aの突然のくしゃみにより近くなっていた互いの頭がぶつかり、衝撃が走る
「いだ……え、なんで君いるの」
今の衝突事故により目が冴えたのか、Aは怪訝な顔をして俺を見つめる
「俺のベッドやからな」
すました顔で答えるが、内心は焦りでいっぱいである
「……あっそう…もう一度寝させてもらうわ」
しばらくジッと見られたものの、飽きたのかそれとも突っ込むのが面倒なのだろうか
Aは小さくため息をつき、体を反転させて俺に背中を見せて再度寝てしまった
……よかったぁ、バレんくて
バレなかったこと、怒られなかったことに安心して一息つけば、ようやくショッピに眠気が訪れる
結局キスはできなかったけど、寝込みを襲う形みたいなものやったし、できなくてよかったのかもしれない
そして彼は瞼を閉じ、緩やかに眠りについた
「失敗したなぁ……」
そんな彼女の言葉は聞きもせずに
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百瀬のえる(プロフ) - 25歳shpおじさんとjkちゃん狂おしいほど好きです先生生徒好きは実はここ発祥ですjkとshpの組合せンァ゛゛゛゛ (2020年10月8日 1時) (レス) id: 90299a5c54 (このIDを非表示/違反報告)
夜有(プロフ) - えなさん» ありがとうございます!そう褒めてくださるととても嬉しいです…!まだ続編は決めてませんが、そのときはまた見ていってくれると嬉しいです(*´ω`*) (2019年3月8日 10時) (レス) id: 93b15b9a53 (このIDを非表示/違反報告)
えな(プロフ) - はじめまして、コメント失礼します。貴方様の綴る物語が大好きで、短編の中にも夢主ちゃんの想いや情景が繊細に書かれていて読みながらとても心を動かされています。別作品もあってお忙しいとは思いますが、次回作があるのであれば心からお待ちしております…! (2019年3月8日 3時) (レス) id: 4d21cb4889 (このIDを非表示/違反報告)
夜有(プロフ) - 柚さん» ありがとうございます!カクテルは自分の中でも一番良作だと思っているのでとても嬉しいです。期待に添えるよう、頑張っていきますね! (2019年3月3日 2時) (レス) id: 93b15b9a53 (このIDを非表示/違反報告)
柚(プロフ) - 素敵です…特にカクテルの話が好きで何回も読み返してしまいます。これからも頑張ってください!! (2019年3月3日 0時) (レス) id: db3c90213f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夜有 | 作成日時:2019年2月19日 14時