一目惚れしました ページ15
※一目惚れでしたと同じ世界線です。
それはシャオロンさんの机に飾ってある写真立てがきっかけだった。
「お〜、ショッピ君すまんなぁ。別の隊なのに手伝って貰わせちゃって」
「大丈夫っすよ」
明日は戦争で勝った際に行われるパレードが開催される。当日は祭りで仕事が出来なくなるから前日までに終わらせておく奴がほとんどだ。勿論俺らも例外ではなく、大先生すらほぼ仕事を終わらす。
だが今回はシャオロンさんは遠方にいた為、あまり事務仕事ができていなかったらしい。急いで帰ってきて取り掛かるも間に合わないと嘆いていたので、暇だった俺は手伝うことにしたのだ。
「ま、言うて大体は終わらせたから。代わりに部屋は汚いけど」
「それはそれでどうかと思うんすけど……」
ニカッと太陽のように笑うシャオロンさん。一応部隊をまとめる隊長なのだから、もう少しどうにかするべきだと思う。まぁ俺も人のこと言えへんけど。
「えっと、これは机の上でいっすか？」
重たい資料を手にしながら奥で報告書をまとめている彼に尋ねる。明日はパレードだというのに、あまり寝れていないのか顔色が良くない。
「ん〜…あ、そうそう。ここ置いといて」
トントン、と軽く指で叩きながら場所を示される。
「うっす」
そのまま置こうとも思ったが、目の前には本やらなんやらか積み重なれたタワーがある。無理しておこうものならすぐに雪崩が起きることは火を見るより明らかだ。
仕方ないので一旦シャオロンさんの方に回り、横に置く。
「あ……え、…あの、これって……」
「どうしたん〜、って……あぁこれ？」
軽く笑いながら写真立てを手に取り、それを見せてくれたシャオロンさん。笑っているはずなのに何故かその顔が寂しそうに見えた。
「こいつな、俺んとこの副隊長」
懐かしそうに写真に映る人物をなぞるその指は、とても大事にしているんだと思うには容易いことで。
「女性……ですか」
「女やけど俺の次に強かったで、こいつ。いや…むしろ時と場合によっては俺を超えとるんちゃうんか？」
「まじっすか」
「まぁ俺の方が強いけどな！」
見てみる？と差し出されたので素直にそれを受け取り、まじまじと見つめる。
シャオロンさんに肩を組まれ、無表情ながらもピースサインをしているそのあべこべ感。
カメラに真っ直ぐに向けられている、その真っ黒な瞳がやけに印象に残った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 184人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
百瀬のえる(プロフ) - 25歳shpおじさんとjkちゃん狂おしいほど好きです先生生徒好きは実はここ発祥ですjkとshpの組合せﾝｧ゛゛゛゛ (2020年10月8日 1時) (
レス) id: 90299a5c54 (このIDを非表示/違反報告)
夜有(プロフ) - えなさん» ありがとうございます！そう褒めてくださるととても嬉しいです…！まだ続編は決めてませんが、そのときはまた見ていってくれると嬉しいです(*´ω`*) (2019年3月8日 10時) (レス) id: 93b15b9a53 (このIDを非表示/違反報告)
えな(プロフ) - はじめまして、コメント失礼します。貴方様の綴る物語が大好きで、短編の中にも夢主ちゃんの想いや情景が繊細に書かれていて読みながらとても心を動かされています。別作品もあってお忙しいとは思いますが、次回作があるのであれば心からお待ちしております…！ (2019年3月8日 3時) (レス) id: 4d21cb4889 (このIDを非表示/違反報告)
夜有(プロフ) - 柚さん» ありがとうございます！カクテルは自分の中でも一番良作だと思っているのでとても嬉しいです。期待に添えるよう、頑張っていきますね！ (2019年3月3日 2時) (レス) id: 93b15b9a53 (このIDを非表示/違反報告)
柚(プロフ) - 素敵です…特にカクテルの話が好きで何回も読み返してしまいます。これからも頑張ってください！！ (2019年3月3日 0時) (レス) id: db3c90213f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：夜有 | 作成日時：2019年2月19日 14時
