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……シャオロン様を見ると、落ち着かない。
眼帯をつけている右目に触れれば少し痛んだ。
何回後悔したって右目は治らないし、隊に戻ってシャオロン隊長とともに戦場を掛け巡ることはもうできないのだと実感してしまう。
数年前の戦争の時に、敵にやられた右目。きっと、まだ戦えた。
それでも完全じゃないし、完全じゃないことで隊長を危険な目に合わすなんてこと出来ないのだ。
だから副隊長というその肩書を捨てて、今は雑貨屋を経営している。
……もう、彼らを見ることはないと思っていたのに。
新しい幹部の方が入ったと風の噂で聞き、国民としてそれは確認しければと思ったのが間違えだった。
彼を見た瞬間、血の気が引いた感覚は決して忘れない。
戦うことしかできなかった人間にこんな感情をもたせるなんて。酷いお方だと理不尽に思ってしまった。
バイクを運転なさるのか常時被っている紫に白のラインが入ったヘルメット。そこに一緒についているゴーグル。少しだけ見える茶髪にアメジストのような紫の瞳。
なんて恐ろしい方なんだろう。
体の震えを抑えるかのように抱きしめる。
パレードはどんどんと進み、狭いこの路地から彼らを見届けていく。
そう、それでいい。
こんな狭いところなんざ、見なくていいのだ。
見なくて、いいのに。
国民達が叫ぶ幹部達の名前、それがショッピ様に変わったとき、つい、顔を上げてしまった。
その瞬間、彼は丁度路地裏をすぎるところで、そして、この暗くて狭い路地裏を見ていて。
＿＿目が、あったような気がした。
ゾワッと背筋が凍る。
気のせい、気のせいだと体に言い聞かせても震えは止まらず、顔も背けないまま彼を見届けた。
視認、されてしまった。
いやいや大丈夫、たとえ本当に目があっていたとしてもただの国民一人なんてきっとすぐに忘れる。
だから早く収まってくれよ。思いたくない、思ってはいけない、持ってはいけないんだこの感情は。
隊から抜けて一般人となった私が、幹部の彼に、一目惚れをしてしまったなんて。
彼が私のことを興味なく忘れてくれることを、ただパレードが過ぎ去るまで私は願いつづけた。
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百瀬のえる(プロフ) - 25歳shpおじさんとjkちゃん狂おしいほど好きです先生生徒好きは実はここ発祥ですjkとshpの組合せﾝｧ゛゛゛゛ (2020年10月8日 1時) (
レス) id: 90299a5c54 (このIDを非表示/違反報告)
夜有(プロフ) - えなさん» ありがとうございます！そう褒めてくださるととても嬉しいです…！まだ続編は決めてませんが、そのときはまた見ていってくれると嬉しいです(*´ω`*) (2019年3月8日 10時) (レス) id: 93b15b9a53 (このIDを非表示/違反報告)
えな(プロフ) - はじめまして、コメント失礼します。貴方様の綴る物語が大好きで、短編の中にも夢主ちゃんの想いや情景が繊細に書かれていて読みながらとても心を動かされています。別作品もあってお忙しいとは思いますが、次回作があるのであれば心からお待ちしております…！ (2019年3月8日 3時) (レス) id: 4d21cb4889 (このIDを非表示/違反報告)
夜有(プロフ) - 柚さん» ありがとうございます！カクテルは自分の中でも一番良作だと思っているのでとても嬉しいです。期待に添えるよう、頑張っていきますね！ (2019年3月3日 2時) (レス) id: 93b15b9a53 (このIDを非表示/違反報告)
柚(プロフ) - 素敵です…特にカクテルの話が好きで何回も読み返してしまいます。これからも頑張ってください！！ (2019年3月3日 0時) (レス) id: db3c90213f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜有 | 作成日時：2019年2月19日 14時
