聞いてへんのやけど ページ1
「違うんですよ」
「ちゃうんすよ」
俺の目の前に立つ男女。二人は至って我々は冷静だと言わんばかりの顔で同時に否定の言葉を発する。
「いや、けどこれは……なぁ?」
ジロジロと二人を見つめれば、男……後輩のショッピは一呼吸してから説明し始めた。
「だから、先輩は誤解してます。俺らが同じベッドで寝ていたのは昨夜夜通し俺の部屋で飲んでて、部屋に帰るのがめんどくさくなったコイツが俺のベッドに寝たんですよ。で、ソファもないし酔ってる俺はし、か、た、な、く、同じベッドで寝ただけなんですってば」
普段のショッピ君とは思えない大きい声と仕草で説明する様はなかなか面白い。ぶっちゃけ俺は別にいかがわしいことが起きたわけではないのは分かっている。
「けどAの服ショッピ君のやし、ショッピ君に至っては上半身裸やん」
だからこそからかいたくなるものだ。なんとか笑いを耐えつつ、更に指摘していく。
「ショッピ君、別に酔ったら脱ぐタイプでもないやろ?って、ことはぁ……」
大袈裟に口に手を当てて、まさかヤッたのでは……という目線で二人を見れば次は横のAが話し始めた。
「洗濯機見ればわかるんですけど、昨日私がショッピと自分の服にお酒をこぼしたんです。私の部屋は遠いですし、この格好でいてもアレと言うことで服を借りまして……ショッピの裸は知りませんけど」
あれ、確かになんでこいつ上裸なんだ?と言う疑問に気づいたのかショッピを訝しげにAは見る。
まさかAまで疑い始めたのかと、ショッピは俺にではなくAの肩を掴みながら説明しだした。
「念の為言っとくけど、襲おうとかそんなんじゃないからな?元々着替え少ないし連続の雨で服なかったねん。最後の一枚はお前に貸したから……分かりました?二人とも」
ギロリ
もうこれ以上は突っ込むなと言わんばかりに俺を睨んでくる後輩。
__いや、分かっとるってショッピ君
__いや、アンタは分かっててもこう言わないとイカンでしょ
口に出さずともお互いの思考を察し、目と目で会話する。
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百瀬のえる(プロフ) - 25歳shpおじさんとjkちゃん狂おしいほど好きです先生生徒好きは実はここ発祥ですjkとshpの組合せンァ゛゛゛゛ (2020年10月8日 1時) (レス) id: 90299a5c54 (このIDを非表示/違反報告)
夜有(プロフ) - えなさん» ありがとうございます!そう褒めてくださるととても嬉しいです…!まだ続編は決めてませんが、そのときはまた見ていってくれると嬉しいです(*´ω`*) (2019年3月8日 10時) (レス) id: 93b15b9a53 (このIDを非表示/違反報告)
えな(プロフ) - はじめまして、コメント失礼します。貴方様の綴る物語が大好きで、短編の中にも夢主ちゃんの想いや情景が繊細に書かれていて読みながらとても心を動かされています。別作品もあってお忙しいとは思いますが、次回作があるのであれば心からお待ちしております…! (2019年3月8日 3時) (レス) id: 4d21cb4889 (このIDを非表示/違反報告)
夜有(プロフ) - 柚さん» ありがとうございます!カクテルは自分の中でも一番良作だと思っているのでとても嬉しいです。期待に添えるよう、頑張っていきますね! (2019年3月3日 2時) (レス) id: 93b15b9a53 (このIDを非表示/違反報告)
柚(プロフ) - 素敵です…特にカクテルの話が好きで何回も読み返してしまいます。これからも頑張ってください!! (2019年3月3日 0時) (レス) id: db3c90213f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夜有 | 作成日時:2019年2月19日 14時