検索窓
今日:26 hit、昨日:7 hit、合計:50,717 hit

見ちゃった ページ11

「あ」
「あ」


それはとある休日の夜のことだった。

深夜でもきらびやかに輝く繁華街。そこで私は旧友たちとの飲みの帰りに一人フラフラと歩いていた。

色とりどりなネオン。あまりにも派手やかすぎるそれらは、色気も何もない私にとっては全く持って慣れそうにもないな、なんてちかつく目を感じながらキャバクラや風俗街の領域にたどり着く。

別に私はそういうのに対して嫌悪感があるわけでもなく、利用する側も店側にも敬意を払う……程ではないが少なくとも批判的な人間ではない。

とはいえ、やっぱり知人とに会うと気まずいわけで。


「A、さん……っすよね…………」
「う、うん……奇遇、だね…?こんなところで会うなんてね……ショッピ君」


あろうことか会社の後輩がまさに風俗から出てくるところを目撃してしまったのである。しかも彼はそこそこ女性達に人気で、顔もスタイルもよく仕事もできるとかいうカースト上位の男性。

しかも彼はダウナー系というのか、クール系というのか。まぁそういうタイプで、性的会話なんてしなさそうな……少なくとも女子たちからしたら薄そうな顔をしている子だ。

そして私達の関係は、彼が会社に入ってきたとき彼の教育係であり、しかも今でもそこそこ交流がある。それはそれはとても気まずい。

互いに沈黙が訪れる。


「あのこれは、その、違っ……て、ですね……」
「いや、別に無理して言い訳作らなくても大丈夫だよ?」


普段は冷静沈着なショッピ君が目に見えて分かりやすく焦っており、それを見た私は逆に冷静になる。

まぁいつもはクールぶってる、なんて言い方は失礼だけど少なくとも彼は周りから自分がどう見られているか分かっている筈。そして今この状況によりどう見られていくのかも。


「そう慌てなくても大丈夫だよ。私はこういうのに対して偏見?とかもってないし、言いふらしたりなんてしないから」


ひとまず焦りすぎて口がパクパクしている彼を落ち着かせるために安心するであろう言葉を伝える。

いや、本当のことだからね?これ。これを言いふらしたりしても私には特になんの利益も得られないし。それに生理的欲求ってのはおかしいことでもないし、下手に素人相手よりお店の人に解消してもらうほうが世間的にもいいと思ってるしね。

2→←5



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.7/10 (69 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
236人がお気に入り
設定タグ:wrwrd! , syp , shp
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

夜有(プロフ) - 百瀬のえるさん» ありがとう御座います!いつかまた会えるときが来ましたら、そのときはよろしくお願いします。 (2021年1月1日 23時) (レス) id: 93b15b9a53 (このIDを非表示/違反報告)
百瀬のえる(プロフ) - 更新ありがとうございました!大好きです!!お疲れ様でした! (2021年1月1日 23時) (レス) id: 90299a5c54 (このIDを非表示/違反報告)
黒音 - はい!それではお願いします! (2019年10月15日 16時) (携帯から) (レス) id: 11da0246b8 (このIDを非表示/違反報告)
夜有(プロフ) - 黒音さん» あ、いえ!その可能性も考えてたのにそこも確認してなかった私もすみませんでした。リクエスト承りました! (2019年10月15日 16時) (レス) id: 93b15b9a53 (このIDを非表示/違反報告)
黒音 - 返信ありがとうございます!個人的にはハッピーエンドがいいですが作者さんの書きやすい方で良いですよ(それと夢主が死んだ後の事なのですが前世の時の事です。分かりづらくてすみませんでした) (2019年10月15日 16時) (携帯から) (レス) id: 11da0246b8 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:夜有 | 作成日時:2019年4月7日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。