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「くりから、堀川、帰ろ」
「主さん!終わったんですね」
「うん。見回りどうだった?」
「特に手がかりは何も」
「そっか。くりからも?」
「…ああ」
懐から短刀を取り出しながらくりからに聞けば素っ気ない返事が返ってくる。
しかし私は知っている。
こんなに素っ気ないくりからが、第68回主のお供争奪戦、叩いてかぶってじゃんけんぽんに参加していたことを!
そう考えるとこの素っ気なさでも可愛く思えてくる。
へへへ、とくりからを見つめていると頭を叩かれた。
でも手加減をしてあるため痛くない。
なんだツンデレか。
短刀に触れると桜の花びらが舞って包丁が現れた。
「退屈だったぞ主!お菓子ちょうだい!」
包丁は私の初鍛刀の刀である。
まんばちゃんに次いでうちの本丸の古株だ。
だからつい甘やかしてしまって、お菓子をあげちゃうのもしょうがない。
ちなみにチョコパイをあげた。頰が一杯になるまで頬張ってて可愛い。
「今日もちょっと寄り道して帰ろうよ。私ソフトクリーム食べたい!」
「そふとくりぃむ、とはどんなものなんですか?」
「甘いのか!?俺も食べたい!」
「皆で食べよー、帰り道に美味しそうなとこ見つけ……」
ぞわりと悪寒がした。
ああ突然すぎる。この気配は、
「っ主!」
「分かってる!多分こっち!」
気配がする方に走っていく。
すれ違う人にぶつかりそうになるけど構っている暇はない。
しばらく走り、とある場所で立ち止まる。
幸い人目につかなさそうな薄暗い路地裏だった。
案の定、そこには遡行軍がいた。
しかしそこには男の子もいた。
緑のモサモサとした髪、雄英の制服を着ているから同じ学校の生徒だ。
携帯を持ったまま、ジリジリと後ずさりをしている。
私達に気づいたのかバッと後ろを振り返った。
「…っ何してるの!早く逃げて!」
「君は!?っていうかこいつらは…!?」
「今はそんなこと話してる暇はないの、早く逃げて!大倶利伽羅、包丁、堀川3振りでいける!?」
遡行軍は7振、いずれも短刀と脇差で大したものはいない。
「もちろんです、主」
「これが終わったらそふとくりぃむだぞ!」
「ふん…」
緑の子に見られてしまったけれど、今は構ってる暇はない。
この路地裏から遡行軍が逃げ出しでもしたら、それこそ大混乱を招くだろう。
そうなる前に殲滅しなければならない。
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牧島(プロフ) - 政府役人さん» コメントありがとうございます!受験終わったら沢山更新できるように頑張ります! (2019年2月17日 11時) (レス) id: 5ab46ea605 (このIDを非表示/違反報告)
政府役人 - 更新頑張ってください。体調に気をつけて無理せず更新してください。応援してます牧島様。 (2019年2月16日 21時) (レス) id: b826bbf687 (このIDを非表示/違反報告)
牧島(プロフ) - 元姫さん» コメントありがとうございます!嬉しくて励みになります。この連休はたくさん更新できるように頑張ります! (2019年2月9日 16時) (レス) id: 5ab46ea605 (このIDを非表示/違反報告)
牧島(プロフ) - 黄泉さん» ありがとうございます!!とても嬉しいです!なかなか話が進んでいないんですが頑張って進めます! (2019年2月9日 16時) (レス) id: 5ab46ea605 (このIDを非表示/違反報告)
元姫 - とてもおもしろいです!更新楽しみにしています! (2019年2月7日 22時) (レス) id: 5cc9b8b817 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:牧島 | 作成日時:2019年1月26日 23時