召喚、失敗された件【転生したらスライムだった件】

47.ベニマル ページ47

ガゼル王から貰ったハープを、


街全体を見渡せる、木の上で練習した。



とても気持ちのが良くて、楽しかった。




練習と言っても、もう、完璧に弾きながらうたえるのだが。





一曲終わると、木下から拍手が聞こえた。





『えっ！？』


と下を向くと、ベニマルがいた。



べ「シルは、音楽が上手なんだな。



　 シュナは、舞がうまいんだ。


　 いつか、シルとシュナの音楽と舞が同時に見てみたいな。」



『私も、シュナの舞、見てみたいです。』


そこからまた、ハープを引き始めると、ベニマルも、

木下で聞き続けていた。




『蒸し返すようで、申し訳ないんだけど、聞いてもいい？』



ベ「いいぞ。」


『ベニマルはさ、オーク達が憎くなることはないの？』



ベニマルは、一瞬固まった。


べ「確かに、一族を殺されたのは確かに悔しいが、


　 憎くは思わなくなった。



　 元々、この世は弱肉強食だ。



　 だったら、俺の一族は弱者だった、それだけだ。



　 それに、今は同じ主に仕える仲間だ。」



『そっか。』




それを言うベニマルは、清々しい顔をしていた。


だが、反対に私は納得出来なかった。
ライラを殺したゲルミュッドも、
ライラを殺すように言った、ライラが仕えていた魔王も。

弱肉強食、強い者が正義。

日本で育った私には、納得出来なかったのだ。


『いさめてくれる部下は、一番槍をする勇士より値打ちがある。



　ベニマルは、そんな部下になりそうだね。』





そう言って、


先程まで考えていた事を振り払うように下に降りた。



『ねえねえ、


　舞の音楽って、どんな感じなの？』



その後、ベニマルが舞の歌を鼻歌で歌ってもらい、


面白半分で弾いていた。

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