30話 ページ1
「どうせ、誰にも頼らずに何も食べてないと思って。笑 これ、お見舞い。」
渡された袋の中には、
スポーツドリンクと
私が昔からずっと大好きなゼリー。
「Aが熱出した時は、これだろ?笑」
どうでもいいことは、
ずっと覚えてるくせに
肝心なことはいつも忘れてて
でも、太輔が私のことを考えて買って来てくれたことが
何よりも嬉しかった。
「忙しいのにわざわざごめんね、ありがとう。」
玄関先で帰すのも、とは思ったけど
家も汚れてるし、今日は帰ってもらおうと思ってたら、
「どうせ1人だと、飯も食わないんだろ」
食べて薬飲むまで見張ってるって、
頑なに帰ってくれない太輔。
「散らかってるけどどうぞ…」
太輔がこの家に来るのは、初めてなのに
なんだか見慣れた光景みたいに安心して。
いつも自分の家みたいに、
私の家でくつろぐ昔の太輔を思い出してた。
太輔が買って来てくれたゼリーを食べて薬を飲んだら、なんだかホッとしたのか
眠くなってきて。
「Aが寝たら、帰るよ。」
って
ずっとそばに居てくれる太輔の
存在を感じながら目を閉じた。
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作者名:Tya | 作成日時:2024年3月29日 0時