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「見る」
その返事は確かに先程まで寝ていたはずのマイキーだった。今は眼光だけで人を殺せるような目をしている。
ドラケンくんと場地くんもなんだかソワソワしている。
なんなんだよと思いながら愛しのエマの写真をマイフォルダから探し出した。
『みてよ、可愛いでしょ。私ロングはタイプじゃないけどエマだけはめっちゃ似合ってるからまじで好きなんだよ』
私の彼女のエマは金髪ロングの美女。1個下だけど私より冷静で大人っぽい。そして私と同じ複数愛者で最近は好きな人が出来たらしい。
なぜマイキーはエマに反応したのか。その答えはすぐに明かされた。
「こいつ、俺の妹なんだけど」
『は?』
「だから佐野エマは俺の妹なんだって」
『はあぁ?!』
あまりの衝撃に空腹も忘れ自分でも驚く程絶叫した。
『え、え?!でもでもエマお前より背高いし不良じゃねーし兄弟いるとか聞いたこと無かったし・・・!』
「なーんだ、そんなんも聞いてなかったのか。お前エマに心開かれてねーんじゃねーの?」
『・・・は?』
「ふつー彼女の家族構成くらい知ってるもんだろ。どうせエマにもお前から告ったんだろ?あいつ優しいから断りきれなかったんじゃねーの」
確かにエマには私から想いを告げたが断りきれなかったというのなら前々から私も好きだった、なんて返されないだろう。
場地くんのすまんとでも言いたげな顔を無視して反論する。
『断りきれなかっただけってんなら1年間も一緒にいねーだろ。会う度に私以上に好き好き言ってるエマが私に心開いてねえとか有り得ねーし。家族構成話さんかったのも不良の兄貴を持ってることが恥ずかしいとかだろ』
「んなわけねーだろうが!!その喧嘩買ってやるよ。表出ろやコラァ!!」
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作者名:あんころもち | 作成日時:2021年9月13日 22時