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はじめ side
AさんがHAPに来てから約2週間。
生活も慣れてきたようで、家事をこなす。
「あ、おはようございます」
まだ誰も来てない時間から、朝ごはんを作る。
は「おはよう」
今日はトーストと目玉焼き、ベーコンとサラダ。
洋食も好きなのでよだれが垂れそうになる。
「今日から私、仕事なんです」
すぐによだれは引っ込んだ。
は「えっ」
「はじめさんにも、色々とお世話になっているのでこれから働いてお金もちゃんと返しますね！」
ガッツポーズを作り、気合いが入っているAさん。
そんな姿も可愛いのだが……正直、俺が養いたかった。
しっかりしている女性もいいと思うが、Aさんには甘えてきてほしい。
は「ちなみに、どんな仕事？」
「製造業で、トレーを箱詰めするみたいです」
朝食が全て並び、Aさんは俺の前の椅子に座る。
「帰りは、18時頃なんですけど歩いていけるので、送り迎えとかいらないですから」
は「……りょうかい」
なんか寂しいな、と思いつつ手を合わせて朝食をいただく。
今日も美味しい朝ごはんだった。
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「お疲れ様です」
18時半ごろにAさんは帰ってきた。
俺は1日心配で作業にも集中できなかった。
すぐにAさんのところに行く。
は「お疲れ様。どうだった？」
「余裕です、経験者なので！」
Aさんは笑って、荷物をソファーに置く。
経験者というのは、父親の仕事が製造業らしいからだろう。
でも、余裕といってもやっぱり疲れはあるようだ。
Aさんはすぐにソファーにもたれかかった。
「……結構、ハードでした。でもお給料がいいので、私、頑張りますね」
は「おう」
そして眠ってしまった。
俺は心が痛くてしょうがなかった。
俺に恩返しするために、身を呈してまでお金を稼ぐなんて。
は「……ありがとな」
毛布をかけてあげて寝かせてあげることにした。
俺はソファーのすぐ下で編集をして、いっときもAさんから離れなかった。
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作者名：999 | 作成日時：2019年6月4日 2時
