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【9.】おわり ページ33

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はじめ side


旅館を出て、静岡に帰りつつ後の旅行を楽しむ。

観光地にはたくさん回ったし、写真もたくさん撮った。

食べ物もたくさん食べて、たくさん笑った。

アイスをトンビに盗られる災難があったけど、それも笑うきっかけになった。


とても充実していた、とても楽しかった。


帰り道、暗い高速道路を俺の運転で車を走らせる。

車通りが多くて、渋滞が始まり車が止まる。


は「あーA」

「はい?」


俺はAに声をかけた。


は「結婚しよ」

「えっ」

は「俺は、Aと結婚する気しかない」

「えっ、でも急ね?」

は「急に言いたくなった、ダメ?」

「うーん」


唐突な求婚でAも驚いているようだ。

Aを俺の奥さんにしたい。


「いい、ですよ」

は「よっしゃあ!」


俺は大きくガッツポーズをした。


は「じゃあ今から指輪買いに行こう、後ゼクスィ買おう」

「そうですね、ゼクスィは買わなきゃ。でもこの時間やってます?」

は「あー……微妙かな」


時間を見ると19:30。
この渋滞を早めに抜ければ店にギリギリスライディングしていけば入れるだろうけど……。


「明日にします?」

は「明日、かー……」

「ほら、1回みんなに報告しなきゃ」

は「挨拶も行かなきゃなか〜……仕方ない、明日にしよう」

「そうしましょう」


それから渋滞を抜けたのは結局20:30で、お店はやっていなかった。

帰ってから、畑のメンバーみんなが揃っていたので報告した。

そしたら……


「「「おめでとうございまぁす!!」」」


予想されていたかのように、大量のクラッカーとパイを顔面にくらった。


だ「はじめ!やっと男になれたか!頑張れよっ」

た「おめでとうございます!僕も頑張ります!」

や「さすがですはじめさん!おめでとう!」

と「いや〜さすがですぅ、おめでとうございます〜」


と、お祝いの言葉もいただいた。

結婚はまだ言っていない。

こいつらが気づくまで待ってみようと思う。

あと事務所にも連絡しなきゃ……。


「……はじめさん、あれ……」


Aが震えた声で指をさす。


は「っ!?あれは!?」


不死身の魔物……Gだ。


だ「ぎゃあああ!!!」

た「ちょっとだいちくん動かないで!」

や「うわー!だいちくんにつられて魔物がこっちに来たー!」

と「スプレー取ってきます!!」

は「うわああああ!!」

「無理です!私無理です!ごめんなさい!」


今日もみんな元気で、俺らは何も変わりません。

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作品ジャンル:恋愛
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作者名:999 | 作成日時:2019年6月4日 2時

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