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【7.*】 ページ31

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はじめ side


Aが寝てから1時間半。

時間は0時を超えた。

起こさないように布団から離れようとするが、Aが俺の浴衣を掴んじゃって動けない。

幸い、近くにパソコンがあったから編集はできるけど……。


カシャ、と小さくシャッター音が響く。


は(記念、記念と)


1枚のつもりが20枚くらい撮ってしまった。

Aの綺麗な髪を撫でて、おでこにキスを落とす。


は「……好きだよ、A」


静かな部屋に自分の声だけが響いて、小っ恥ずかしくなって編集を始める。

隣でスヤスヤ眠るAは次第に俺の腕にかぶりついた。


は「いっ」


子犬の甘噛み程度の痛み。
時々モグモグするから夢でも見てるのかな?

可愛いAをエネルギーにして頑張って編集をした。

編集が終わったのは4:00。
ここを出るのは7:00だ。


は(まだ少し眠れるな……)


俺は布団に潜り込む。


「はじめ、さ」

は「ん?」


Aに呼ばれて見てみるが、眠っている。
寝言かなと少し観察してみると、Aは俺の腕の中に潜り込んできた。


おぉ……。


スンスン、匂いを嗅いで満足そうにニヤついてまた寝息を立てる。


……可愛い。


俺はおかしくなってしまったのか。

犬じゃん、こんなの。

犬は可愛いけどそれよりも他に何か違う可愛さがある。


……天使?


Aは天使かもしれない。

俺のために舞い降りてきた?
だとしたら、俺が育ててあげなきゃ。

俺が、優しくしてあげなきゃ。


Aを愛おしく思い抱きしめる。


は(いつになったら……俺のものに……)


多分、俺は寝ぼけてたのかもしれない。
いやそれじゃ済まされないだろう。

Aの上に馬乗りにし、少しはだけていた着物の隙間から鎖骨が見えていた。

心臓の音が早くなるのを感じた。


気づいたら、真っ白の肌……鎖骨に赤い花を咲かせていた。


しかも1つではない、3つ4つある。

それを満足に眺めて、Aの唇に触れた。

チュ、と小さくリップ音がなり優しく髪を撫でた。


「はじめ、さん……」


Aはか細い声で俺を呼んだ。


「私ははじめさんのことが……好きです……」

は「え……?」

「ちゃんと、わかりました。初めての感情に、少し戸惑ったけど、好きってこういうことなんですね……」


Aは胸の前で拳を作る。


「ここが……キュってなるんです……はじめさんも、同じ、ですか……?」

は「そう、そうだよ……」


俺はAを抱きしめた。

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作品ジャンル:恋愛
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作者名:999 | 作成日時:2019年6月4日 2時

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