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はじめ side


?「娘を返してくれないか」

は「は、はい?」


たなっちとコンビニに行った帰りに、知らないおっさんに声をかけられた。


は「えーとー……何のことで?」


男性は憤激しているようで、今にも飛びかかってきそうだ。

たなっちが俺の前に入る。


た「すみません、どなたですか?」

?「須賀Aの父だ」

は「Aの……!」


俺はハッとした。

たなっちの前に入る。


父「娘を、Aを返してくれ」

は「それはできないです」

父「なぜ?君にそれをいう資格はあるのかい?」

は「あなたこそ、娘という資格はありますか?」

た「ち、ちょっと!」


熱くなりすぎて、たなっちが止めに入る。


た「ここだと近所迷惑になるので、とりあえず家へ戻りましょう、Aさんのお父さんも一緒に来てください。話し合うなら、そこで」


近隣の住民に迷惑はかけられない。

怒る気持ちを抑えて、家に帰る。



.



家に帰る途中、たなっちがともたかとやふへゐくんにAを連れてどこかへ出かけるように言ったようで、家にはだいちくんしかいない。

そしてだいちくんが秒で部屋を掃除してくれたようだ。(正確には編集部屋に全部投げ込んだ)

Aのお父さんに椅子に座るよう促し、たなっちがお茶を出す。


は「……聞いた話なんですが」


お互い落ち着いたようなので、話を切り出す。


は「あなたは、Aを追い出したのではないですか?」

父「……」


先程までの憤激はなく、悲しそうに話す。


父「妻が亡くなってから、私の心の拠り所がなくなり……その時に現れたのは彼女でした。優しいんです、彼女は。だからAに意地悪のようなことをしているなんて……考えてもいませんでした」


俺はその言葉に、怒りを抑える。


父「それがわかったのはAが出て行ってからです。彼女が『あんな女、私達の間にはいらない』と言ったんです。私はその時初めて気付きました」


バン!と耐えきれず、机を叩き立ち上がる。


は「それが父親のすることですか!」

父「……私も今になって後悔している。彼女とはもう別れたし、また娘と暮らしたいんだ……だから……」


Aの父親は悔しそうに唇を噛んだ。

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作品ジャンル:恋愛
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作者名:999 | 作成日時:2019年6月4日 2時

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