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14. ページ15

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急いで、Aの目を見つめる。


もしかしたら嫌な思いをして幻滅しているかもしれない。

嫌われてたかもしれない!


でもそれとは裏腹に、Aの瞳はトロンと溶けたように俺を見つめていた。



え?



……い、いや、それはまずい。


急いでAを抱き抱えて、俺のベッドに寝かせた。


「終わり……?」

は「終わり終わり、俺の理性が効いてる間にお眠り」


本当は、もっとしたい。

何ならその先も……でも。


俺はまだ、想いを伝えてないし。

Aがどう思ってるかも知らない

お酒の勢いでこんなことになってしまったとしか思えない。

俺にはいいことばかりだけど、Aは?
変なところ慎重な自分に少し感心する。


じきにスヤスヤ眠ってしまったAの頭を優しく撫でる。


は「ごめんよ」


そういって俺は自分の心の底で燃え上がる感情を確かめるために、Aのおでこに優しくキスをした。



.



翌朝、快適な睡眠から目が覚めたAは布団にくるまって、顔を真っ赤にして俺を睨んでいた。


は「ご、ごめんて……」


あんなに酔っていたのに、昨日の記憶を覚えているらしく、俺の顔を見て飛び起きて朝からパンチを1発食らって散々だ。

痛む頬を撫でながら、Aに謝る。


「わっ、私も悪いから……ごめん、なさい」


顔を真っ赤にしながら、Aは謝罪した。


は「本当にごめん。俺も、我慢出来なくて」

「い、いいんですっ」

は「あのさ……嫌じゃ、ないとか……ない?」

「え……?」

は「あぁっ!ごめん忘れてくれ!あー!今日も1日頑張るかぁー!」


いかんことを聞いてしまった、と俺は慌ててその部屋を出た。


好きでもない男に、お酒の勢いでキスされて嫌な女性はいない。

誰だってそうだ、俺だってそうだ。


俺はそっと、自分の唇に指を当てた。


柔らかく、温かい……あの感触を忘れたくない。

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作品ジャンル:恋愛
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作者名:999 | 作成日時:2019年6月4日 2時

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