六訓 ページ9
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A「その御方が私の母親なのだとすぐにわかりました」
銀時「………」
A「大変だったんですよ、ここまで知るの。何せ吉田由紀の記録は全く無かったのですから」
銀時「そりゃ、将軍家に継ぐ筈だった娘が攘夷志士だったなんて幕府からすれば消したい過去だろうからな」
A「そう、ですね。きっと誰かが隠蔽をしたんでしょう。けど……貴方様も攘夷戦争に参加されていたんですね」
銀時「………」
A「きっと私は攘夷戦争真っ只中で産まれた筈です
先程私が産まれた時に同行していたと仰っていたので
攘夷戦争に参加なさってないと同行など出来ません
それに先程の拳に殺気を感じました
あんな殺気、普通の一般人からは到底出せるものでは無いかと」
銀時「俺はその殺気に気付いたお前に驚いているんだけどな
お城で暮らしているお姫様が殺気なんてもの感じられるなんて
どんないじめ受けてたら、殺気なんて感じられるようになるんだよ」
A「嗚呼、それはあそこでは本気で私を殺してくる者も居たので
自然と殺気を感じられるようになったんです
通りすがりに刃物を突き付けてくることもよくありました」
銀時「そりゃあ、おっかねェ場所だ」
A「私だって最初は死にたくなくて必死に耐えていたんですよ?
でも、日に日に罵倒も悪戯も度を越えるようになりました
それがそよとのお茶会で毒を盛られた時です
まさかあの子の居る前で毒を盛られるなんて思ってもみなかった」
Aはあの日の出来事を思い出す
そよが淹れてくれたお茶を口にした瞬間、今までとは比べられない程、息が苦しくなった
___死を覚悟したくらい
A「あの事件のせいで父上様にも迷惑をかけ
そよに要らぬトラウマを植え付けてしまった
これ以上、私のせいで二人に迷惑をかけたくない
だから………」
銀時「死にたいのか?」
A「………」
Aはゆっくりと首を縦に振り、頷く
A「介錯をしてくれるだけで結構なのです……それでも駄目ですか?」
Aはもう一度、懇願した
だが銀時の答えは変わらない……変わるわけがないのだ
銀時「わりィが何を言われようと俺はお前を殺さねェし殺させもしねェ」
A「………」
Aは「そう、ですか……」と小さく呟き、そして……
A「では、残念ながら貴方様にはここで死んで貰うことに致しましょう」
殺気を含んだ瞳でAは銀時に向かってそう言った
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みゆき(プロフ) - 来良さん» 返信が遅くなりごめんなさい!😣💦💦ありがとうございます!!私も早く三人と再会させたいです!!!笑笑 (2022年1月5日 23時) (レス) id: 475a141bfc (このIDを非表示/違反報告)
来良 - この作品めっちゃ好きです…!早く高杉さんやヅラや辰馬さんに再会するとこをみたい…!お身体に気をつけて、これからも頑張ってください!応援してます! (2022年1月3日 21時) (レス) @page15 id: 1123250b94 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みゆき | 作成日時:2021年5月21日 17時