君は君らしく【銀魂】【沖田総悟】

十訓 ページ13

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A「でもどうやって助けてくれるんですか？」


当然の疑問である、だが銀時はそれにサラッと答える


銀時「そんなんお前が家出すれば良いんだよ」


A「え………？」


意外な回答にAは目を丸くする


A「家出？」


銀時「そうだ。どうせお前のその環境は将軍が知ったところで

一時的に収まるだけで解決なんかしねェ

だったら態々そんな所に帰る必要なんかない

だから家出すんだよ」


A「………」


"家出"なんて考えが無かったAはそんな発想をこの短期間で思い付いた銀時に感心する


A「でもそう簡単に出来るのでしょうか……？」


自分は徳川の人間。銀時は簡単そうに言うがそんなことしたら


父上とそよにどれ程の迷惑と心配を掛けるか……


それにそんなことを許される立場でないことも重々承知している


銀時「良いんだよ、姫様だって家出の一つや二つしたって

それか社会勉強として城下で暮らすって言うのも手だぜ

下下(しもじも)の生活を体験するのも姫の責務だって言ってな」


ニヤリと笑う銀時にAも同じくフッと笑みを浮かべる


A「確かに家出と言うより社会勉強として城下で暮らす方が私にとっても良いかも知れません」


Aの笑顔を見て、銀時はホッとした後……


銀時「笑えんじゃねェか」


A「え？」


銀時「あんな作り笑いしてるより今の方がお前らしくて良いな」


A「！」


銀時「言葉遣いもそうだ

無理してまでそんな完璧な姫に成り切ろうとしなくて良いんだよ

お前はお前らしい姫になればいい」


A「………そんなこと言われたの初めて」


周りの大人はいつも徳川の人間らしく振る舞うことをAに強要していた


それで出来上がったのが今の(表向きの)Aである


自分を押し殺さなくて良いと、ありのままで良いなんて言ってくれる人は居なかった


だから嬉しいのだ、銀時の言葉が


A「ありがとうございます」


銀時「おう、頑張れよA」


A「はい！」


銀時「俺はかぶき町で万事屋銀ちゃんっていうなんでも屋をやってんだ

次、会う時はそこに来い

お前に会える日を楽しみに待ってるからよ」


A「はい、必ずまたお会いしましょう銀時様」

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