光を求める少女の話 【文スト】【黒の時代】【太宰治】

第七十二話＿忠告 ページ35

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太宰「おいで、A」


A「！」


太宰の呼び掛けにAは直ぐ彼の元へ駆け寄る


太宰「今、私が言ったことを注意しながら他の遺体を調べるんだ

小さな事でも良い、何かあれば直ぐに私に報告すること

解った？」


A「………」ｺｸﾝ


Aは太宰の指示に頷き、同じように遺体の服を至る所まで調べる


太宰「全くうちの部下は揃って敵を嬲(なぶ)り殺すだけがマフィアだと思ってる。この調子だと織田作、一人で解決してしまいそうだ」


「その男なら私も知っています

マフィアの中にあって人を殺す度胸のない男

Aさんならまだしも

彼は迚(とて)も太宰さんと釣り合う男には見えません」


A「…………」ﾋﾟｸｯ


部下の言葉に反応して手が止まったAを太宰はポンッと優しく頭を撫でる


太宰「君の間違いは二つ

釣り合う、釣り合わないに度胸は関係ない

もう一つは忠告だ

織田作は怒らせない方がいいよ、絶対にね

もし彼が心の底から怒ったなら

この部屋にいる全員が銃を抜く間も無く殺されるよ

本気の織田作はどんなポート・マフィアより恐ろしい

今のAだって彼には勝てない

芥川くんなんか百年経っても織田作には勝てないよ」


A「………」


芥川「馬鹿な、あり得ない。太宰さん！貴方は僕を………！」


芥川は噛み付くように罵声を上げるが太宰は其れを無視する


太宰「さぁ、仕事に戻るよ

敵も面倒だけど早く抗争を片付けないと

異能特務課が出張ってきて更に厄介な事になる」


芥川「ッ………」

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