22話 ページ23
『シッマにお願いがあるんだ』
『こんどの金曜の午後4時って空いてる?』
『その日――...』
――――
コネシマsaid
約束をした。十月の第2金曜日の午後4時...
菜月の中学校で兄の代わりとして三者面談に呼ばれた。
何で俺なんやと初めては思ったが確かに大先生とシャオロンでは無理そうな案件という事はこの時期の面談という事で察せる。
三年の教室前、菜月は黒いセーラー服を身にまとい長い髪を(学校ではいつも下ろしているのだろう)風でなびかせて佇んでいた。
コネ「待たせてすまんな」
いつもよりボリュームの小さい声で話しかける。菜月はうん。と無表情で答える。どこか緊張している様子やな...。
教室に入ると清潔そうな身なりをしている教師が席にすわってその教師の目前には椅子と机が二個づつ並んでいる。その席に座りひと通り挨拶を済ませる。
教師「初めまして私、菜月さんの担任をさせてもらってる**です」
名前のところが聞き取れんかったがまぁええか。
教師「菜月さんはとても成績が優秀で...」
話は続き、菜月のいい所を言ったあと進路の話になった。
すると今まで黙っていた菜月が口を開く。
『先生、私実は――...』
――
コネ「あーーーやっと終わったわぁ!!」
窮屈なスーツを脱ぎ袖をまくりストレッチをするかのように伸びる。
『うん』
コネ「...ったくしゃーないな」
自分の判断が正しいのかまだ迷っている様子の菜月の頭をこれでもかとぐちゃぐちゃに掻き回す。
『や、やめ!!ヤメロォ!!』
菜月がいつもの調子で俺の手を叩き落とす。
コネ「もうあとには引けないんやろ?腹くくれ!!大丈夫や。なんかあったら兄貴分の俺に何でも頼れや」
な?と問いかけると菜月は先程までの暗い顔はかき消されニヤリと不敵に笑う。
『今、何でもって言ったな?よし。飯食いに行こう!うなぎ食いたいうなぎ!!』
コネ「ばっか!!おま!!旬じゃないんやから高いに決まっとるだろ!」
菜月を止めたものの聞く耳を持たずにどんどん進む。俺もしょうがないのでついていくことにした。
コネ「――お前がどんだけ育って俺らが要らなくなっても俺らはお前の家族やからな」
俺の小さな呟きは聴いてほしい人には決して届かない。
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みずしま(プロフ) - 椚(くぬぎ)さん» そう言っていただけると嬉しいです。ご指摘ありがとうございました。 (2017年7月31日 15時) (レス) id: b770df9c92 (このIDを非表示/違反報告)
椚(くぬぎ)(プロフ) - いえいえ…作品は面白かったので、これからの更新楽しみにしてます! (2017年7月31日 15時) (レス) id: ca9fe8409a (このIDを非表示/違反報告)
みずしま(プロフ) - 椚(くぬぎ)さん» わかりました!!思い付く限りのことはさせて頂きます。わざわざありがとうございました。 (2017年7月31日 15時) (レス) id: b770df9c92 (このIDを非表示/違反報告)
椚(くぬぎ)(プロフ) - 初読失礼します。たいへん面白く読ませて頂きました!しかし、おじっきょはデリケートはジャンルですので、良ければ検索避けをお願いします…気を悪くさせたら申し訳ありませんが、このジャンルの安泰のためにもよろしくお願いします^^ (2017年7月31日 15時) (レス) id: ca9fe8409a (このIDを非表示/違反報告)
みずしま(プロフ) - 銉さん» コメントありがとうございます!!私も兄妹ギャグ本当に好きなのでそこまで言って頂けると本当に嬉しいです!!時間を見つけて少しづつでも書いていくので読んでいただければ幸いです! (2017年7月31日 0時) (レス) id: b770df9c92 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みずしま | 作成日時:2017年7月22日 0時