18話 ページ19
場所を替え、ひとらん宅。
言い合いはヒートアップしていた。
グル「我儘言うのも大概にせぇよ!!我慢して自分のレベルより低い所行ってもしょうがないやろ!!詰まらんこと学んでもなんの成長にも繋がらんって中学で学んだだろ!!」
『うっさいねん!!グルッペンは私の親でも何でもないくせに!!垢の他人がウチの進路ゴチャゴチャ首を突っ込むな!!』
グル「っ!!」
グルっペンが勢い余って手を出そうとした瞬間パンッと乾いた音が響く。
『っつ!!』
乾いた音の正体はリアルでは初対面のひとらんらんが菜月の頬を叩いた事だった。
菜月も驚愕し、瞳孔を開く。
ひと「皆小さいころからずっと一緒で育ての親見たいなものでしょ?そんな事言っちゃいけない。」
ひとらんらんの真剣な声、視線、行動総てに菜月は押され黙る。
『...ごめんなさい...。でも私はトンちゃんを一人にしたくない。...唯一の家族なんだから一緒に居たいんだ。』
頭が冷えたのかグルッペンも「俺も...」と言い出した。
グル「俺もすまんかった。カッとし過ぎた。いいおっさんが怒鳴ることじゃなかった。こんなんじゃどっちが子供か分からんな」
苦笑いを向けるグルッペンに先程まで黙って見てたオスマンとゾムがホッとする。
グル「ひとらんもすまなかった。全然知らないのに止めに入ってもらって」
ひと「ううん。俺は大丈夫。皆からは話は聞いてたし、マンちゃんたちからじゃ言いにくだろうしね」
――
その日の深夜にグルッペンが寝ている部屋に菜月が入ってくる
グル「菜月?」
『グルちゃん...本当にごめんなさい。』
菜月はベッドに座っているグルッペンの横に座り服の裾を掴む。
『ずっと、勉強教えてくれたのに、親無しの私に色々知識を、言葉をくれたのに...家族も同然なのに垢の他人だなんて...』
その言葉を聞くとグルッペンはいつもの邪悪さとは裏腹に優しく微笑む。
グル「ええんや。本音で言っとるなんて誰も思っとらん。反抗するっていうことは心が成長しとるっていう証拠や。」
そう言うと菜月は感極まり『グルちゃん!!』と言いながら抱き着く。グルッペンも急な重みに耐えきれずベッドに倒れる。
『グルちゃん、やっぱりグルちゃん見たいな人がお父さんだったら良かった...だからさ』
グル「おう?」
『だからさ、トンちゃんがママでグルちゃんがパパ。そんで子供が私!!これって最高の家族じゃないかな?!!』
グル「はははっ!!こんな優秀なのが娘やったら父親としての尊厳守るの大変そうやな!!」
145人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みずしま(プロフ) - 椚(くぬぎ)さん» そう言っていただけると嬉しいです。ご指摘ありがとうございました。 (2017年7月31日 15時) (レス) id: b770df9c92 (このIDを非表示/違反報告)
椚(くぬぎ)(プロフ) - いえいえ…作品は面白かったので、これからの更新楽しみにしてます! (2017年7月31日 15時) (レス) id: ca9fe8409a (このIDを非表示/違反報告)
みずしま(プロフ) - 椚(くぬぎ)さん» わかりました!!思い付く限りのことはさせて頂きます。わざわざありがとうございました。 (2017年7月31日 15時) (レス) id: b770df9c92 (このIDを非表示/違反報告)
椚(くぬぎ)(プロフ) - 初読失礼します。たいへん面白く読ませて頂きました!しかし、おじっきょはデリケートはジャンルですので、良ければ検索避けをお願いします…気を悪くさせたら申し訳ありませんが、このジャンルの安泰のためにもよろしくお願いします^^ (2017年7月31日 15時) (レス) id: ca9fe8409a (このIDを非表示/違反報告)
みずしま(プロフ) - 銉さん» コメントありがとうございます!!私も兄妹ギャグ本当に好きなのでそこまで言って頂けると本当に嬉しいです!!時間を見つけて少しづつでも書いていくので読んでいただければ幸いです! (2017年7月31日 0時) (レス) id: b770df9c92 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:みずしま | 作成日時:2017年7月22日 0時