▽9 ページ9
・
廉「どういう人やったんですか?」
『結構聞いてくるね』
廉「気になるから」
頬ずえつきながら前のめりになって・・
もっと他のことに興味持てばいいのに。
『検定で筆箱忘れてきたら、1本しかないのにシャーペン貸してくれるような人・・』
廉「へぇ、結構親切やね」
結構を超えてるよ・・ほんと。
あれは3年生になったばっかの時。
大学試験の履歴書に書きたくて、英検を受けた。
暇だと言う優太を巻き込んで。
そしたら当日に筆箱忘れてきちゃって・・
俺はどうせ解けもしねぇから使えって。
ほんと、あぁいうとこ、
好きだけど大嫌い。
人に優しくする分、いつも自分が何かの犠牲になってるんだ。
その犠牲が、試験程度ならまだいいけど・・
それが、命となると・・何も笑えないよ。
『人の役にたつのはいいけど、程々にね?』
取り返しがつかなくなってからでは、もう遅いんだよ・・優太。
壁越しに外で聞いていないかな、?
本人に言いたい言葉をそのまま口にした。
『あ、もうこんな時間・・今日はもう遅いから帰りな?』
廉「・・はい、ありがとうございました!」
『うん!おつかれ!』
教科書をカバンにしまっている廉くんを見ながら、下校するのを見送る。
『気をつけて帰るんだよ?』
廉「はい!」
職員室のところで別れて、わたしは職員室に戻ってきた。
自分も早く帰る準備を済ませた。
今日はこれといった残業もなく、そのまま家に帰ることにした。
職員用出入口から出て、校門のところまで歩くと・・
岸「早く帰ろうぜ」
校門のところに背中を預けて、流し目でこっちを見てきた優太。
『そんな普通のトーンで言わないでよ』
そのまま嫌だ、と言えるわけもなく、優太と並んで歩く。
『ねぇ、優太はどこに帰るの?』
岸「お前ん家」
『は?』
そんなのサラッと言われても困る。
岸「Aがちゃんと一人暮らしできてんのか俺が見てやるよ!」
ただの言い訳にしか聞こえない。
幽霊と同居ってどんなホラー映画だよ
1843人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
美久(プロフ) - こんばんは、岸くんの作品探していたところ見つけて読ませていただきました!もう素敵なお話で大号泣です、、他の作品も読ませていただきます! (2022年9月22日 0時) (レス) id: b3cc7c76d7 (このIDを非表示/違反報告)
リーダー(仮) - めちゃくちゃ久しぶりに泣きました。 番外編も、読んでみたいです。 (2021年12月5日 0時) (レス) @page50 id: 6f32c3f285 (このIDを非表示/違反報告)
七奈(プロフ) - はじめまして。コメント失礼します。思わず涙が溢れました、、、苦しくて切なくて、だけどどこかあたたかさにも包まれていて、、、素敵なお話をありがとうございました!これからも作者さんのこと応援させてください。 (2021年9月14日 0時) (レス) id: f58e70d40b (このIDを非表示/違反報告)
ange - 感動で涙が溢れました。素敵なお話をありがとうございました。そしてこちらの作品に出会えたこと嬉しく思います。これからも作者様のお話を楽しみにしております。 (2021年8月23日 0時) (レス) id: 7b959df396 (このIDを非表示/違反報告)
なな - 今まで見てきた占ツクの中で1番感動しました。もしよろしければ、岸くんと結ばれたお話や続編も見たいです。 (2021年5月28日 14時) (レス) id: 11c222fc20 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:muhe | 作成日時:2018年5月21日 23時