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それから、優太はずっとではなく、時々私の前に現れるようになった。
岸「なぁ、A」
『ん?』
そろそろ言われるような気がしてた。
岸「今日、推薦の合否発表じゃね?」
そう、今日は数学の授業がないことを理由に、何となく、わたしは廉くんを避けていた。
答えはもう、出ているようなもの・・
だけど、それで何かを失うと思うとなかなか決断できなかった。
岸「答え待たせてんだろ?」
『そう、なんだけどさ』
私は欲張りなのかもしれない。
だからいつになっても決断ができないんだ。
−−−−タッタッタッタッ・・
空き教室で作業をしていると、廊下から響きわたるそんな音。
岸「ほら、王子がきたぞっ」
・・とか言ってまた私の前から静かに消えた君、。
それが私の判断を鈍らせるんだって。
もう私の前に現れなかったらって・・そう考えるとなかなかヒヤヒヤする。
−−−−ガラガラッッ!!
勢いよく引き戸は開けられた。
廉「先生っ!!」
そこに立っているのは息を切らした廉くん。
『廊下は走っちゃダメだよ!』
廉「ハァッハァッ、ごめんなさいっ!」
とか言って、冷静を装うけど、内心かなり緊張してる。
『推薦、どうだったの、?』
廉「A先生っ俺受かったよ!推薦で!!」
その言葉を聞いて、わたしは力がスーッと抜けた。
『おめでとうっっ!本当によかったね!!』
廉「はいっ!!ありがとうございます!!」
これで廉くんも春から大学生になる事を保証された。
自分の事のように嬉しくなる。
廉「それで・・、せんせ?」
やっぱり逃れられない道なんだ。
『はい、』
廉「返事、聞かせてください」
ついに決断する時が来た。
今の今まで、ずっと悩んできた。
自分に何回も何回も問いかけて、やっと決めた答え。
だけど、思えば思うほど、それは分からなくなる。
優太、本当に、これでいいんだよね、?
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美久(プロフ) - こんばんは、岸くんの作品探していたところ見つけて読ませていただきました!もう素敵なお話で大号泣です、、他の作品も読ませていただきます! (2022年9月22日 0時) (レス) id: b3cc7c76d7 (このIDを非表示/違反報告)
リーダー(仮) - めちゃくちゃ久しぶりに泣きました。 番外編も、読んでみたいです。 (2021年12月5日 0時) (レス) @page50 id: 6f32c3f285 (このIDを非表示/違反報告)
七奈(プロフ) - はじめまして。コメント失礼します。思わず涙が溢れました、、、苦しくて切なくて、だけどどこかあたたかさにも包まれていて、、、素敵なお話をありがとうございました!これからも作者さんのこと応援させてください。 (2021年9月14日 0時) (レス) id: f58e70d40b (このIDを非表示/違反報告)
ange - 感動で涙が溢れました。素敵なお話をありがとうございました。そしてこちらの作品に出会えたこと嬉しく思います。これからも作者様のお話を楽しみにしております。 (2021年8月23日 0時) (レス) id: 7b959df396 (このIDを非表示/違反報告)
なな - 今まで見てきた占ツクの中で1番感動しました。もしよろしければ、岸くんと結ばれたお話や続編も見たいです。 (2021年5月28日 14時) (レス) id: 11c222fc20 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:muhe | 作成日時:2018年5月21日 23時