幽霊のキミ ~Yuta.Kishi~

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学校に続く道を歩いていると、少しずつ制服を着た子達が増える。









「先生おはようございます！」






『おはよう！』







「Aちゃんおはよー！」








女の子達に手を振られたけど･･







『AちゃんじゃなくてA先生でしょ！』








そういうとニコニコ笑いながら「はーいっ」って。








今の子達ってみんな可愛い。








そして素直･･








わたしもそんな女子高生だったらな、と自分の若い頃を思い出していた。









廉「A先生っ！！」









ちょっと高めの声が聞こえて、後ろを振り向けば廉くんが小走りでこちらに近づいてきた。








『廉くん、おはよ！』







廉「おはようございます！」









いつも髪の毛を綺麗にセットしてくる廉くんなのに今日はストレートで









おまけに後ろの方はちょっと寝癖がついたままだった。








この面影が優太と重なる。








顔いいんだから髪の毛カッコよくセットしてくればいいのに･･








そういうの無頓着だからいつもノーセット。








寝癖はつけっぱでおまけにボサボサ。









･･戻りたいな。あの頃の自分に。








またそんな強い思いが自分の首を締めつけた。









『寝癖ついてるよ？』








廉「えっ嘘！？」









教えてあげるとすぐに自分の手で寝癖を直し始めた廉くん。








気のせいかちょっとだけ耳が赤い。









『ふふっ可愛い、どうしたの？いつもセットしてくるのに寝坊でもした？』








廉「あ･･いや、LINE登録してくれると思ってなくて」







『え？』









そういや、昨日付箋を見てLINEを登録してあげたんだっけ･･









廉「あのっ今日の放課後、空いてますか？」







『えっ今日？』









放課後、廉くんに個別で教えてあげてるのは火曜日で







今日は水曜日。







水曜日に教えたことはなかったけ









廉「だめ、ですか？」






『大丈夫だけど、今日職員会議あるからちょっと待たせるかも』









心の中でどこか優太を家でまたせちゃうなぁーとか思ってしまった。








廉「ほんとですか？ありがとうございますっ！！」









ぱぁっと顔の表情を明るくしてすごく嬉しそう･･









廉「じゃぁまた後で！！」









廉くんは学校の中へと消えていった。









なんだろ、廉くんったまっすぐで純粋な子だなー･･って。

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