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わたしはクローゼットからOL服を取り出し、急いでスウェットから着替える。
別に言ったわけじゃないけど、自然とこちらに背を向けてくれる優太。
そういう紳士なところも全部全部惚れる要素なわけで・・
わたしは髪の毛をクシでササッととかしてカバンを持った。
『いってきます』
岸「えッもう行くの?」
『うん、そうだけど』
なにかに疑問を持った顔。
岸「お前朝ごはんは?」
『コンビニでおにぎり買う』
すると顔をわかりやすく歪ませた。
岸「お前それで足りんの?つか頭使う仕事なんだから栄養絶対足りてねぇだろそれ」
ちなみにお昼ご飯もコンビニと伝えるともっと心配をされた。
『いまテスト期間中で私たち教師もバタバタしてんの!落ち着いたらちゃんと自炊するよ』
低めの安定したヒールを履きながら、まだ家の中にいる優太にそうつげる。
岸「何かあってからじゃ遅いんだって」
・・やめてよ、優太が言うと変に説得力がある。
彼の言葉はいつにも増して真剣味を増していた。
『分かったよ、休憩の合間にこまめに何か食べるから』
自分の職業は休みを自由にとることが出来ないため、
倒れたり体を壊したらいろんな人に迷惑をかけるのは目に見えていた。
だから私は、優太の言葉を素直に聞くことにした。
岸「それならよし!行ってらっしゃい!!」
片手をあげて軽く手を振るきみ。
『え、一緒に行かないの?』
岸「俺いると邪魔だろ?お前要領悪いし」
『それ言わないでよっ!』
人が気にしてることをズバズバ言うんだから・・
岸「今日は家で待ってるよ!頑張ってきな」
"待ってる"
その言葉が妙に心に響いた。
ちゃんと待っててくれる。
その言葉に安心はするんだけど・・
ずっと待っててくれるわけじゃない。
心のどこかでそんな不安があった。
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美久(プロフ) - こんばんは、岸くんの作品探していたところ見つけて読ませていただきました!もう素敵なお話で大号泣です、、他の作品も読ませていただきます! (2022年9月22日 0時) (レス) id: b3cc7c76d7 (このIDを非表示/違反報告)
リーダー(仮) - めちゃくちゃ久しぶりに泣きました。 番外編も、読んでみたいです。 (2021年12月5日 0時) (レス) @page50 id: 6f32c3f285 (このIDを非表示/違反報告)
七奈(プロフ) - はじめまして。コメント失礼します。思わず涙が溢れました、、、苦しくて切なくて、だけどどこかあたたかさにも包まれていて、、、素敵なお話をありがとうございました!これからも作者さんのこと応援させてください。 (2021年9月14日 0時) (レス) id: f58e70d40b (このIDを非表示/違反報告)
ange - 感動で涙が溢れました。素敵なお話をありがとうございました。そしてこちらの作品に出会えたこと嬉しく思います。これからも作者様のお話を楽しみにしております。 (2021年8月23日 0時) (レス) id: 7b959df396 (このIDを非表示/違反報告)
なな - 今まで見てきた占ツクの中で1番感動しました。もしよろしければ、岸くんと結ばれたお話や続編も見たいです。 (2021年5月28日 14時) (レス) id: 11c222fc20 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:muhe | 作成日時:2018年5月21日 23時