▽3 ページ3
・
その卒アルを見ただけで、今まで塞ぎ込んでた何かが溢れそうになった。
駄目だ・・彼はもう、ここにはいない。
そう自分に言い聞かせても、わたしはまだ認めたくなかった。
ちょっと重く感じるその卒アルをケースにしまい、元あった場所に戻す。
ていうか、これ、一体誰のだったんだろう・・
−−−−ッ
ん?
卒アルの間に挟まっていた何かが地面に落ちた。
それは、・・手紙?
とてもシンプルな封筒で、そこに宛先の名前が書いてあった。
『えっ』
そこに書いてあった宛先は、"Aへ"
私の名前だった。
字的にすぐ悟ってしまった。
この卒アル・・あいつのだって事、?
物だけ残されて、そんなのずるいよ・・
読んでみたさもあったけど、何が書いてあるか検討もつかない。
仕事に支障がでると危ないから、家に持ち帰って読むことにした。
次の授業の準備のため、わたしは倉庫から出ようとした・・その時、
−−−−ガサゴソッ
『ッえ?!』
この部屋には私しかいないのに・・
空耳ではないはずだ。
だって結構な物音だったから・・え、なに?
『・・誰か、いるの?』
−−−−シーンッ
返事は返ってくるはずがない。
・・だよね、そうだよね。
いや、それで当たり前。
そう自分に言い聞かせる。
倉庫から出て、ドアを閉めようとする。
けど、やっぱりちょっと気になってしまった。。
誰か生徒かもしれない・・
ドアを閉めようとして、逆に勢いよく開けてみた。
そこには制服を着た男の子の姿・・
ほら、こういう事、よくあるもんだ・・
・・だけど。
『ギャァァアアア!』
岸「ギャァァアアア!!!、」
私が叫んだのと同時に彼も叫ぶ。
いやいやいやいや、え、?
『ちょ、え、・・誰ですか?』
岸「いや、お前、それはねぇだろ?!」
私が今見ている、その生徒・・それは、
『優太、?』
岸「よっ!久しぶりだな!」
なんか頭が追いついていかない。
一瞬、生きてたの?って思ったけど、あれから10年も経っているのに、彼の容姿はあのまま。
それに制服も着ている。
足元を見たら・・透けていた。
1843人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「平野紫耀」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
美久(プロフ) - こんばんは、岸くんの作品探していたところ見つけて読ませていただきました!もう素敵なお話で大号泣です、、他の作品も読ませていただきます! (2022年9月22日 0時) (レス) id: b3cc7c76d7 (このIDを非表示/違反報告)
リーダー(仮) - めちゃくちゃ久しぶりに泣きました。 番外編も、読んでみたいです。 (2021年12月5日 0時) (レス) @page50 id: 6f32c3f285 (このIDを非表示/違反報告)
七奈(プロフ) - はじめまして。コメント失礼します。思わず涙が溢れました、、、苦しくて切なくて、だけどどこかあたたかさにも包まれていて、、、素敵なお話をありがとうございました!これからも作者さんのこと応援させてください。 (2021年9月14日 0時) (レス) id: f58e70d40b (このIDを非表示/違反報告)
ange - 感動で涙が溢れました。素敵なお話をありがとうございました。そしてこちらの作品に出会えたこと嬉しく思います。これからも作者様のお話を楽しみにしております。 (2021年8月23日 0時) (レス) id: 7b959df396 (このIDを非表示/違反報告)
なな - 今まで見てきた占ツクの中で1番感動しました。もしよろしければ、岸くんと結ばれたお話や続編も見たいです。 (2021年5月28日 14時) (レス) id: 11c222fc20 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:muhe | 作成日時:2018年5月21日 23時