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『・・え、なにが?』
全然、話が読めない。
だけど、なんかちょっと上機嫌の優太。
岸「まぁとにかく俺は決めたぞ!!」
『だから何を?』
主語はないし、肝心なことは全然言ってくれない。
もったいぶんないで、早く言ってほしいのだが・・
岸「やっぱりアイツに任せるよ」
『え?』
あいつ、?
任せる?
全然、心当たりはなくて、読み取ろうと悟ろうとしても無理なわけで・・
『アイツって一体誰のこと?』
岸「な・・」
せっかく言いかけたのに、何を思ったのかその口を閉ざしてしまった。
『な?』
頭の中は疑問符だらけ。
岸「いや、何でもねぇ!!」
いやいや、何でもないわけないよね?
『ちょ、なに?誰?どういうこと?』
わたしは優太に質問の嵐を浴びせる。
岸「んん、今のお前は知らなくていいんだよっ!」
そう言うと、ひとりでベッドに飛び移り、布団の中に潜ってしまった。
『なにそれ・・自分勝手もいいとこだよ、ほんと』
布団の中にすっぽり体をおさめて・・
男の人の筋肉のついた体に変わりはないけれど、
細いし華奢だし、で
小さく縮こまって丸まっている。
『・・てかそこで寝ないでよ?わたしソファじゃ寝れないんだから!』
すると布団から顔だけちょっとだして・・
岸「はいる?」
なんかそれ、可愛いからずるいし、イラつく。
『いや、はいる?じゃないよ!!それわたしのベッド!!』
そう訂正するとわざとらしくうるさそうな顔をしてきた。
岸「お前夜だぞ?声のトーンさげろって」
幽霊のくせにマナーはあるのね、幽霊のくせに。
せっかくお風呂で体はポカポカ温まったのに・・こんなくだんないことしてたら冷えちゃう。
『ねえ早くでて?』
岸「くればいいじゃん!ほらっ」
人の話聞いてた?
片手で布団をめくり、空いたスペースをポンポン叩く優太。
なにちょっと胸きゅん彼氏的なのやろうとしてんのよ・・
岸「早くこいって!眠いんだよ俺」
なら勝手に寝てくれればいいのに、そこ待ってくれるのが変な優しさ。
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美久(プロフ) - こんばんは、岸くんの作品探していたところ見つけて読ませていただきました!もう素敵なお話で大号泣です、、他の作品も読ませていただきます! (2022年9月22日 0時) (レス) id: b3cc7c76d7 (このIDを非表示/違反報告)
リーダー(仮) - めちゃくちゃ久しぶりに泣きました。 番外編も、読んでみたいです。 (2021年12月5日 0時) (レス) @page50 id: 6f32c3f285 (このIDを非表示/違反報告)
七奈(プロフ) - はじめまして。コメント失礼します。思わず涙が溢れました、、、苦しくて切なくて、だけどどこかあたたかさにも包まれていて、、、素敵なお話をありがとうございました!これからも作者さんのこと応援させてください。 (2021年9月14日 0時) (レス) id: f58e70d40b (このIDを非表示/違反報告)
ange - 感動で涙が溢れました。素敵なお話をありがとうございました。そしてこちらの作品に出会えたこと嬉しく思います。これからも作者様のお話を楽しみにしております。 (2021年8月23日 0時) (レス) id: 7b959df396 (このIDを非表示/違反報告)
なな - 今まで見てきた占ツクの中で1番感動しました。もしよろしければ、岸くんと結ばれたお話や続編も見たいです。 (2021年5月28日 14時) (レス) id: 11c222fc20 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:muhe | 作成日時:2018年5月21日 23時