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幽霊の君は、きっとこの世界を生きる私よりも、色んなことを知ってるんだろう。
それを見据えてるから、そんな自信があるのだろう・・
だけど、それをまったく知らない私は?
死んだあなたの言葉を素直に受け入れろと、?
どこまでも、信憑性に欠ける。
優太が生きてたら、何を言われても信じる事が出来たのかな?
『優太はさ』
岸「ん?」
スプーンを完全にテーブルに置いた優太。
目の前に座る私を、体全体で受け止めようとしてくれる。
『それで満足する?』
岸「満足?」
頭の上に疑問符をのせた君は、本当に憎んでも憎みきれない。
『わたしが他の人と付き合って、結婚して・・そしたら優太は嬉しいの?』
岸「嬉しいも何も・・悔しいし、多分嫉妬するよ」
なに、それ・・
言ってることはめちゃくちゃ。
矛盾だらけだ。
岸「でも、お前には幸せになって欲しい」
『よくそんな事、無責任に堂々と言えるよね』
わたしは、ひとりでごちそうさま、と言葉を吐きつけて食事を終わらせ、食器を片付ける。
岸「まぁ、そのうち分かるって!それまで俺が見守るからさ!!」
一瞬にして重い空気は和んでしまう。
彼って本当に不思議な力を持っている
協調性のあるその言葉に、私の気持ちは少し落ち着いた。
『見守るだけとかダメ!ちゃんと手伝って!!』
岸「へ?」
スポンジを投げつけたら、それを瞬時にキャッチしやがった。
『・・は?なにキャッチしてんの!?』
岸「いやいや投げてきたのAだろ?」
そうだけど、だってさっきスプーンを投げつけた時は、普通に透けてったんだよ?
『・・どういうこと?』
岸「ものってさ、無じゃん?それに人の感情が乗っかっちゃうと、人間と同じ物体と見なされんだよ」
スラスラ普通に言ってるけど、結構難しいこと言われてる。
犬とか普通に撫でてたじゃん・・は?
岸「まぁ、簡単に言うと・・俺の死に違和感を感じてれば感じてるほど、物との接触は難しいってこと」
つまりは、スプーンの時は、
いろんな感情が乗っかっていた為に、彼に当たることなく透けたってこと?
そして今のスポンジは、強い感情が乗っていなかったために、彼が自らキャッチ出来たってこと?
複雑すぎて理解に悩む。
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美久(プロフ) - こんばんは、岸くんの作品探していたところ見つけて読ませていただきました!もう素敵なお話で大号泣です、、他の作品も読ませていただきます! (2022年9月22日 0時) (レス) id: b3cc7c76d7 (このIDを非表示/違反報告)
リーダー(仮) - めちゃくちゃ久しぶりに泣きました。 番外編も、読んでみたいです。 (2021年12月5日 0時) (レス) @page50 id: 6f32c3f285 (このIDを非表示/違反報告)
七奈(プロフ) - はじめまして。コメント失礼します。思わず涙が溢れました、、、苦しくて切なくて、だけどどこかあたたかさにも包まれていて、、、素敵なお話をありがとうございました!これからも作者さんのこと応援させてください。 (2021年9月14日 0時) (レス) id: f58e70d40b (このIDを非表示/違反報告)
ange - 感動で涙が溢れました。素敵なお話をありがとうございました。そしてこちらの作品に出会えたこと嬉しく思います。これからも作者様のお話を楽しみにしております。 (2021年8月23日 0時) (レス) id: 7b959df396 (このIDを非表示/違反報告)
なな - 今まで見てきた占ツクの中で1番感動しました。もしよろしければ、岸くんと結ばれたお話や続編も見たいです。 (2021年5月28日 14時) (レス) id: 11c222fc20 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:muhe | 作成日時:2018年5月21日 23時