幽霊のキミ ~Yuta.Kishi~

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岸「お前は今もこれからも歳をとってく･･進んでかなきゃ駄目なんだよ」








その言葉の意味に気付くのに、そう時間はいらなかった。








いつも通る住宅地。








−−−−ワンワンワンワンッ！！








私に吠えたことのない、ご近所さんの飼い犬が尻尾を振って吠えている。








もう、おばあちゃん犬なのに、まだそんな元気があったんだって、少し驚いたけど








岸「あれ？お前ミーコか！？」








−−−−ワンワンワンワンッ！！








10年前、登下校の時もここを通ってたっけ･･








確か、優太はいつもこの犬にお菓子をあげたりしてて、可愛がってた、。








岸「すげーっ！！俺のこと覚えてんのか！？」








一人で勝手に舞い上がってる。







そうだよ･･子犬だった犬のミーコも、







女子高生だったわたしも、







周りの風景も、







全部全部、成長と共に変わっていった。







変わらないのは、足りないのは･･








優太だけ。








岸「お前歳とったなぁっ！！」







柵ごしに頭を撫でている。







その風景･･見慣れてたあの頃にすごく戻りたいと感じてしまう。







『優太、帰るよ』







岸「おうっ」








･･というか、優太は何のためにこの世に来たの？







10年も経った今になって、物事が目まぐるしく変わり果ててく中で、








何であなたはこのタイミングでここに、








私の目の前に現れたの、？








わたしは分からなかったよ







いつも、おちゃらけてばっかで







真面目な話は一切しない。







真剣になることなんて照れくさいのか何も言わなかったキミが、10年前、私に何を思っていたのか･･








それを知った時、








わたしは、また、あなたに泣かされるのだろう

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