雨男センパイ ~Yuta.Kishi~

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それはいつもの放課後。



サッカー部マネージャーの私は授業が終わるとともに荷物を手に持った。




外はとても薄暗く雲が全部を埋めつくしていて、ザーッと地面に響く雨の音は止むことを知らない。






廉「今日ミーティングで終わる？」





私の隣に来て同じように天気を伺う廉、。






『何言ってんの、筋トレちゃんとやるからね？』





廉「まじで？」






彼はサッカー部の部員でもあり、私の幼馴染みでもある。





嫌そうに顔をしかめるから喝を入れた。





『そんなんだから試合中に怪我するんだよ』





この前の試合で派手に対戦相手とぶつかった廉は足にテーピングを巻いていた。






一応、サッカー部のエース的ポジションをしている廉。





私は部員それぞれにあわせて練習メニューを作っている為、彼には厳しかった。





廉「それとこれは関係ないやん」






ボソボソと愚痴を漏らす廉を横目に2人で部室へと向かう。




一年の後輩達はもうそこに来ていて、






「あっ、また一緒に来た」





「やっぱりそうなんじゃね？」






私と廉が同時に入るとそんなヒソヒソ声が聞こえてくる。




お前ら女子かって。






『ちょっと！！言いたい事あるんだったら直接言って』





後輩達はビクッと私に怯えはじめた。






「えぇっ、あ、いや、その･･A先輩と廉先輩って付き合ってるんですか？」




『はぁぁ！？』






飛んでもない勘違いに頭がくらむ。





でも廉はそれを見るとケタケタ他人事のように笑っていた。






廉「もっと優しくしたり？マネージャーが一番怖いとか俺らどこに癒し求めたらええねんっ、ただでさえ男群がってんねやから」






自分のロッカーに荷物を置いて練習着とタオルを持ち出した廉。





そんな人を面白がるような目で見られるととても腹が立つ。





『いや、有り得ないから！！廉が彼氏とか絶対に無理だからッ！！！』





暴言のように吐き捨てて後輩達にも言い正す。






『いい？私と廉は幼馴染みなだけっ！！こんな奴と付き合ってるとか変な噂たてないでねっ？』






固まったままコクンコクンと何度も頷く後輩達。





どうやら強制的に私がそうさせているらしい。






廉「お前の本命は部長やもんなっ！！」






さり気なく人の個人情報を漏らすと冷却スプレーで頭をペシっと叩かれた。







『いったッ』






いやいやスプレーめちゃくちゃ硬いから直接頭に響いたんだけど。

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