3-34.ぶりっ子ちゃんの収穫 ページ35
ふと、蘭ちゃんと一緒に調べたぶりっ子の特徴を思い出した。
女の子らし過ぎる甘い風貌。異性にだけ見せる媚びた態度、口調。同性――すなわちライバルの排斥。
これは、異常なまでの闘争心と、異常なまでの承認欲求の表れなのだろうか。
「自分のことを良く見せたい、認められたいっていう思いは誰にでもあると思います。テレビのぶりっ子は、その思いの成れの果てじゃないかな。そうかもしれないから、おれはテレビのぶりっ子を他人事に出来ない。人並み以上に育ったこの自己顕示欲の使い方を誤れば、同じように『成れの果て』になるかもしれないから。でも、もちろんなりたくないから、ならないように、おれはテレビのぶりっ子を……反面教師にしないといけないですね。自己主張は程々に、自分中心にならずちゃんと周りの状況も見て――そう考えたら、平たく言えば、おれにとって許せるぶりっ子は、場の空気を読めるぶりっ子になるんじゃないかと思います」
すぐさま、夏目先輩が辿り着いた結論を書き留めた。結論自体はアンケートに協力してもらった二年生からも似たようなものがちらほら出たが、自分とぶりっ子を重ね合わせた考え方は今までになかった。とても、夏目先輩らしいと思う。
「……いやー、ぶりっ子って難しいですね！ 色々知ったような口を利いてしまったけど、でも今ならこれだけは確信を持って言えます。あのぶりっ子特有の風変わりなアピールも、うまく調理すれば、人の心を惹きつける素晴らしいスキルになるんだって！ ……良いぶりっ子に、教えてもらったんだ。だからね、ぶりっ子のこと、昔こそ敬遠してたけど、今はそんなに悪く思ってないんですよ。みなさんは、ぶりっ子をどう思ってるのかな？ やっぱり好きにはなり辛いかな？ あ、そもそもぶりっ子ってなかなか身近にいなくないですか？ もしいたら、ぜひともお会いしたいなぁー！ なんて！」
このお便りを書いたのはぶりっ子だと言えば、夏目先輩は驚くだろうか。
「あ、もうこんな時間だ！ ちょっと喋り過ぎたな。……色んな意味で。今回もお便りありがとうございました！ 午後の授業は眠たいけど、まあ先生にバレない程度にこっそり居眠りもしつつ、頑張っていきましょう！ 以上、生徒会からでした〜☆」
最後に職員室がざわつきそうな一言を残した後、放送終了音が鳴った。
思うところがあったが、蘭ちゃんと同時にお腹が鳴ったので、まずは遅めの昼食を取りに教室に戻ることにした。
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やま(プロフ) - 面白いです、笑っちゃいました。 (2021年9月19日 13時) (
レス) id: 0eb68c7075 (このIDを非表示/違反報告)
無気力に自信が有る人 - あ、真白と同一人物です！ (2021年7月25日 17時) (レス) id: 19b8beddf0 (このIDを非表示/違反報告)
無気力に自信が有る人 - 思わず笑っちゃいました！しかも、なんか余計にクラスの人に�猜僂陛朖瓩辰道廚錣譴修Δ覆海箸鬚錣兇錣供帖帖帖帖�この小説凄く面白いです！ (2021年7月25日 17時) (レス) id: 19b8beddf0 (このIDを非表示/違反報告)
豆の字(プロフ) - 真白さん» ぶりっ子についてプレゼンする人なんてそうそういないですよね（苦笑） (2021年7月16日 18時) (レス) id: dee9e908a6 (このIDを非表示/違反報告)
豆の字(プロフ) - Rukia (ゆっくりゆる)さん» ありがとうございます！！一人一人の登場人物をこんなに丁寧に見てくださって本当に嬉しいです！（いつか名前も覚えていただければ大変恐縮です！）りうむちゃんのことも好きになってもらえて嬉しいです、ぜひ推してあげてください！ (2021年7月16日 18時) (レス) id: dee9e908a6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：豆の字 | 作成日時：2019年12月7日 15時
