化け物が百五十五匹。 ページ29
「＿＿全員手を止めろ。各列の一番後ろ、答案集めて持って来い」
こうして、三日間の筆記テストが終わる。
何年ぶりかっつーぐらいの集中で、なんか頭がぼんやりしていた。
ぼけっと紙が回収されていくのを眺めていると、ここ数日嫌んなるほど聞いていた声が耳に入ってくる。
「ありがとヤオモモー！！」
「とりあえず全部埋めたぜー！」
ピンク女とチャラ野郎がわいわいとポニテ女を囲う。その流れで他の勉強会メンバーの三人も明るい顔でやって来て、ポニテ女に感謝していた。
それもまたぼおっと眺める。
「あ、そういえば一之瀬は？ どうだった？」
「うんうん気になる！ 手応えバッチリ？！」
「………あー……」
「え、何その反応。もしかして全然埋められなかったとか……？」
「ほ、本当ですか一之瀬さん？！」
「勝手に想像して勝手にショック受けんなクソ」
急に話を振られたせいで頭が追いつかなかったからテキトーに反応を返した。ただそれだけで一喜一憂するコイツらに呆れる。
「じゃあホントのところは……？！」
「……………まあまあ」
「まあまあ」
「まあまあ」
「まあまあ……！」
「まあまあ？」
「オウム返しすんな殺されてェのかゴラ！！」
「まあまあ落ち着いて〜」
「死ねカス！！！！」
完全におちょくられてる。クソうぜェ！！
ブチ切れながらアホ面チャラ野郎に殴りかかると、「うわ暴力反対！」とふざけたことを抜かしながらクソ堅野郎の後に隠れた。クソ堅野郎は「お前ら元気だなあ」と苦笑いしている。他人事かテメェ余裕ぶってんじゃねェぞ。
「でもとりあえず、Aくんもいい感じに解けたみたいやし、筆記試験はみんな大丈夫そうだね！」
「だな！ あとは演習試験さえ乗り越えりゃ終わりだ！」
「話聞く限りだと入試みたいなロボ無双らしいし？ ま、よっぽどのヘマしない限りいけるっしょ！」
「ア？」
「え？ なにこわい」
聞いたことない単語が飛んできて思わずドスの効いた声が出る。なんて言った？
「もう終わりじゃねェのか」
「えっと……筆記試験は終わりだけど、また別日に演習試験があるよ」
「エンシュウシケン？」
「んん？ 急にカタコト……」
「おいおい、お前まさか演習試験あんの知らなかったとか言わねぇよな？」
「いや流石にそれはないだろ！ いくら一之瀬でもそんな無知なことは」
「………………」
「無知だったーーーッ！！！」
「うるせェ死ね！！！」
爆笑してるヤツとドン引いてるヤツがいた。
よし、全員殺す。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2471人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
バルサミコ酢(プロフ) - この作品昔からめちゃくちゃ好きです！更新楽しみにしています！ (2021年12月3日 11時) (
レス) @page50 id: 7fcdff5f84 (このIDを非表示/違反報告)
ベリー(プロフ) - この作品大好きです！お気に入り登録して更新楽しみにしているので、作者様のペースで是非更新頑張ってください！ (2021年12月1日 18時) (レス) @page50 id: 9c552e7ae4 (このIDを非表示/違反報告)
肉まん - この小説とても面白いです！更新楽しみにしています。 (2021年10月29日 17時) (レス) id: 4f984dbf4f (このIDを非表示/違反報告)
水泳進化人(プロフ) - ヤムチャってるのか………。 (2021年10月4日 22時) (レス) @page50 id: ddf2ca19b2 (このIDを非表示/違反報告)
waka(プロフ) - わぁぁ…!!やったー!!大好きな作品が更新されてる!!と思って本当に跳び跳ねました笑 作者様のペースで、頑張ってください。いつでも、更新待ってます! そして何よりお身体、ご自愛されて下さいね!! (2021年9月17日 13時) (レス) id: e247cabc05 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
