〃 ページ8
【備考】
一人称が我。二人称が貴様。ベアマンに対しては畜生、畜生共。三人称は彼奴ら。
目上の人間には敬語を使う。
十五年前、リッカルドが丁度二十歳のときに王の演説を聞き、全く同じことを思っていた彼はユートピアに属すことを即決。誰よりも早く王のもとへ走りその旨を伝えたところ、気に入られ団長に選ばれた。
リッカルドが持っている言霊の欠点のせいで彼の眠りは極端に浅く、そして短い。何度も睡眠での精神的ダメージを受けているうちに、身体が睡眠に対して拒否反応を起こし始めてしまった。一日の睡眠時間は言霊発動後でなくとも二、三時間。少ない時は一時間程度。起きる際に喋り方例のように叫んで飛び起きることもあれば、声すらも出ないこともある。殆どが後者。
睡眠時間の長さに関係なく力のデメリットは平等に与えられるので、短い睡眠時間だと尚更苦しいはずなのだが……。そんな状況でも彼は変わらず機敏に動き働いている。精神も身体も丈夫なのだろう。
暇さえあれば鍛錬をしている。腕立てなどの基本のものからランニング、剣の稽古など。そのストイックさには感服させられる。その成果は出ており、戦闘では言霊を発動させなくともベアマンに立ち向かえるほど剣の実力がある。
妹と騎士の事件があった後、リッカルドはすぐに病院に連れていかれた。左目の傷は深く、丁寧に縫われたが彼を見るとまずその傷に目がいってしまうほど目立ち痛々しかった。眼帯で隠した方がいいのではないか、と医者にも提案されたが断った。この傷は自分の弱さの象徴で、このままにしておけばいつでも事件のことを忘れずにいられるからである。
父と母は全てを知った後リッカルドを抱きしめた。「お前が無事で良かった」そう涙ながらに言った父は一体どんな気持ちだったのであろう。妹の亡骸を見て泣き崩れる母は何を思っていたのか。
リッカルドは強くならなければならないと尚更思うようになった。父と母がもういいだろう、その目で無理をするなと言っても、鍛錬をやめなかった。今度は一人で鍛錬を続けた。騎士の教えを思い出しながら。ずっとずっと、夜遅くまで。元々表情の変化が少なく、無愛想だったリッカルドが全く笑わなくなり、口数も減ったのはこの頃からだった。それまでは笑うこともあったし良く話もしていた。けれどその頃から笑わなくなり、ほとんど喋らなくなり、鍛錬に没頭するようになっていた。
まるでリッカルドの中の弱い「自分」を殺そうとしているかのように。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
●龍●(プロフ) - ミクミキさん» はい、大丈夫ですよー！ではミクミキ様のボードにお邪魔しますね…！ (2019年3月6日 16時) (
レス) id: 5b64b63f06 (このIDを非表示/違反報告)
ミクミキ(プロフ) - 失礼します、【散れ、血塗れた桜】に参加しておりますミクミキと申します！私のキャラ【優曇香奈子】【優曇美智子】と関係を結んでいただけないでしょうか？ (2019年3月6日 15時) (レス) id: eada72cfbe (このIDを非表示/違反報告)
朱鬼(プロフ) - ●龍●さん» ありがとうございます！了解です！ (2019年3月4日 11時) (レス) id: 4a55e77aeb (このIDを非表示/違反報告)
●龍●(プロフ) - 朱鬼さん» わっ、勿論ですー！ぜひぜひ結びましょう！もしよければ自分のボートに来ていただけませんか…？そこでお話ししたいと思いまして！ (2019年3月4日 11時) (レス) id: 5b64b63f06 (このIDを非表示/違反報告)
朱鬼(プロフ) - 失礼します。「散れ、血濡れた桜」に参加させて頂いています朱鬼と言います。良ければ鳳凰霜司さんと関係結んで頂けませんか？ (2019年3月4日 10時) (レス) id: 4a55e77aeb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
