【キャラクター集】2

〃 ページ13

怒ることもなく、例え何か悪口を言われたとしても耳の中を左から右に流れていく。つまりあんまり聞いていない。食事中、隣の人が飲み物を零し服にかけられたとしても気にしない。「大丈夫だよー」とそのまま食事を続ける。寛容なのか興味がないのか、よくわからない。

実はリュカは公爵家出身のお坊ちゃんなのだが、従騎士として騎士に従い使いっ走りになることには何の抵抗もない様子。昔までは騎士のような上の従わせる立場にいたので、むしろ現在のことを楽しんでいる節がある。また、周りは皆トーカーなのに自分だけがプロトというこの状況に対し「みんなすごいなぁ」とお坊ちゃん特有の謎の余裕で感心している。焦りや劣等感を感じる様子は皆無。

28にもなってこの性格なのはかなり問題なのだろうが、見た目の影響もあって周りがそれを言及することはない。というかまず28には見えないのである。五年ほど前から年を取っていないように感じる。

一言で言うと、何を考えているかわからない、不思議な男である。



【過去】
上に少しだけ書いたように、実はリュカは公爵家の出身で更に王族の血も引いている、スーパーエリートである。今の争いの絶えない世の中でもふわふわした平和そうな性格でいられるのはきっとその生まれのせい。大事に大事に育てられて来た。

しかし、現王が即位してから伯爵以上の身分になれるのはトーカーのみと決められ、プロトのリュカは十五年前から伯爵の地位を奪われてしまうことに。幸か不幸か両親はトーカーのためそのままの地位でいられたのだが、「伯爵の身分ですらない者が公爵の暮らしを味わうのは可笑しいのでは？」と周りに言われ十三歳のリュカは一人家を追い出されることになった。当然両親は猛反発したが認められず、リュカは一人暮らしを始める。まあ両親から毎月今までのような暮らしをしても有り余るほどのお金が送られてきたため、そこまで苦労はしなかったのだが。毎日手紙が送られてくる上に、リュカもその状況を悲観するような性格ではなかったためでもある。

それから三年、十六歳になったリュカは騎士団ユートピアに入団する。理由は「暇だったから」らしい。……とは言うものの、本当は両親が自分に大金を送ることをよく思っていない輩が貴族の中で増えて来たことに気づき、自分で生活費を稼がないとと思ったからなのだが。

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